“サウジマネー”が嫌なら日本に行けば? LIV和解で元世界1位が持論

持論を展開したカイマー(左端)※撮影は2022年「LIVゴルフ・ポートランド」(撮影/田辺安啓(JJ))

対立から一転、6日に新リーグ「LIVゴルフ」との和解を発表したPGAツアー(米国男子ツアー)とDPワールドツアー(欧州男子ツアー)。今後、新リーグ所属選手にとっては古巣にあたる両ツアーへの復帰の道筋が用意される見込みだが、すんなりとはいきそうにない。

一度は新天地に移った選手たちと再び一緒になるとすれば、巨額の金銭オファーを蹴ってツアーに残留した選手たちの不満がたまってもおかしくない。欧米ツアーはLIVを支援してきたサウジアラビア政府系のファンド、PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)の投資により関連事業の権利を統合する新団体を設立予定。“忠誠”を貫いた選手に新団体が報酬を用意するプランも取りざたされる。

LIVに移籍したメジャー2勝の元世界ランキング1位、マルティン・カイマー(ドイツ)は英紙テレグラフ(電子版)で持論を展開。これまで新リーグへの莫大なオイルマネー投入が“スポーツウオッシング”と批判されてきたことを踏まえ、「『汚れたお金のためにプレーしたくない』『魂を売りたくない』と言っていた人たちの反応が楽しみだ。その言葉を守るなら、彼らは日本に移ってジャパンツアーでプレーする必要があると思うよ」と話した。

3000万ドル(約41億8200万円)ともいわれる契約金を受け取ったとされるカイマーも非難の的になってきたという。「僕は自分の価値観を貫いたが、ここドイツでも多くの人に批判された。面白いことに、(和解の発表後)彼らは僕に素敵なメッセージを送ってくれたよ。僕らが生きている世界は偽善的なものであり、自分で決断することがより重要なんだ」

カイマーは、自らと同様に欧州ツアーを脱退したセルヒオ・ガルシア(スペイン)が9月にイタリア・ローマで開催される米国選抜との対抗戦「ライダーカップ」の欧州選抜メンバーに入れるようにするべきだとの考えも示した。

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