水田や畑にソーラーパネルを設置し、農業と太陽光発電を両立させる「ソーラーシェアリング」で育てた神奈川生まれのブランド米「はるみ」を使った日本酒「推譲(すいじょう)」が販売されている。耕作放棄地の再生と再生可能エネルギー普及の一石二鳥を狙い、製造と販売を手がけた老舗の「井上酒造」(神奈川県大井町)は「農業は日本酒の生命線でもある。地元の農業を守るためにも地場産の味を堪能してほしい」と呼びかけている。
小田原ゆかりの二宮尊徳の教えから命名された「推譲」は県西、県央地域でソーラーシェアリングに取り組む合同会社「小田原かなごてファーム」と同酒造が2021年から販売している。
これまでは同社の水田で育てた「キヌヒカリ」を使用していたが、井上酒造の井上寛社長が「はるみならおいしい日本酒になるはず」と、日本穀物検定協会の食味ランキングで最上級の「特A」に選ばれたことがあるはるみに白羽の矢を立てた。