アマゾン物流拠点8月稼働 自走式ロボが商品棚を運搬、国内最大級 在庫数1700万個 千葉みなとFC

商品棚を持ち上げて自動で運搬するロボット「Drive」=千葉市美浜区

 インターネット通販大手のアマゾンジャパンは8月、千葉市美浜区で大型物流施設「千葉みなとフルフィルメントセンター(FC)」の稼働を開始する。ロボットの技術「アマゾンロボティクス」を導入した施設としては国内最大で、自走式ロボが商品棚を運搬することで作業を大幅に効率化。先端技術を用いる一方で、2千人以上の雇用も図る。同社は「雇用機会を創出し、地域社会の発展に努める」とした。

 千葉みなとFCは4階建て、延べ床面積約12万平方。商品在庫数は1700万個以上で、一日の入・出荷数はそれぞれ約60万個。

 同社はFCの稼働に先立ち、報道関係者に公開した。約2600台のロボット「Drive(ドライブ)」が、専用の棚の下に入って持ち上げ、1台ごとに床面のQRコードを読み込みながら前後左右に自動走行。棚に入った商品をそれぞれ必要な場所に運ぶ仕組みで、従業員をアシストする。

 ロボットが走り回る運搬スペースは無人とし、安全を確保した上で短時間での棚入れ、棚出しを可能とした。商品ごとに適切なサイズの資材をシステムが提案する独自の梱包(こんぽう)作業も採用。環境への配慮から段ボールを減らし、紙袋での配送も増やしていくという。

 同社によると、首都圏とのアクセスが良好な千葉港地区にFCを新設することで迅速な配送につながり、顧客にとって商品がより早く届くメリットがある。

 テクノロジー導入の一方で、同社は安全管理やピッキング、出荷作業の担当など30種類以上の職種があり、一日に約650人が働くことを想定。地元の雇用創出と安全な労働環境の実現に意欲を示す。

 総責任者の片桐秀行サイトリーダーは「地域に根付いたFCを目指す」と強調。子ども向けのFCツアーなども計画していくとした。

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