突貫工事(とっかんこうじ)

「突貫工事」の意味

「突貫工事」(とっかんこうじ)とは、もともとは建設業界の用語で、意味は「短い工期で全力を挙げて工事を一気に完成させること」。これが転じて、広く「一気に物事を進めること」「強引に押し通すこと」として、広いシーンで用いられることとなった。

「突貫」の意味は、「突きとおす」「貫き通す」「一気に仕上げる」などがあり、ここから用語が生まれた。

相手の陣地へ「突撃だ」「行くぞ」など大声を出して突撃すること「吶喊(とっかん)」が元になっているという説もある。

類語に「特急工事」「急ピッチ」などがある。

「突貫工事」の由来・語源

先述のように、語源は建設業界の用語であり「短い工期で完成」させるがゆえのデメリットもある。それは、本来あるべき理想の工程やスケジュールをふんだ工事と比べると、時間的、作業負担的に無理が生じるものであり、また、完成後も未完成、不完全な部分が露呈する可能性がある、などである。

そもそも、理想の工程やスケジュールをふめないにも関わらず、とりあえずの成果だけを作り出そうとしているところで、どこかに無理を生じさせるものである。

単に間に合わせるという結果ばかりを追い求め、精度や安全制などの必要事項がおざなりになりがちである。酷い物件が出来上がる場合がある。つまり、手抜き、手抜かり物件である。

近年では、東京オリンピック開催に間に合わせるための突貫工事、コロナウイルスの流行によるさまざまな施設建設などが挙げられる。

ビジネス上でも「多少の諸問題は覚悟のうえで、期限に間に合わせるための強引な進め方」といったニュアンスで用いられる、ネガティブな用語でもある。

建設現場での「突貫工事」同様、工程、スケジュール、費用面さまざまな負担を織り込んで、プロジェクトや作業を進める必要がある。本来なら、表立った部分だけの完璧さを求めるのではなく、見えない部分も含めて完成させたほうで良いため、できるだけ突貫工事に携わるようなことがないようにしたい。

2022年7月27日、ツイッター上で「くそ暇な会議中に自作おっさんビジネス用語ビンゴをやっているんですが、いまだにリーチが最高でビンゴに至らず」という文章とともに「おっさんビジネス用語」で埋められたビンゴカード画像がバズり、「おっさんビジネス用語」を知らない若者を中心に話題となった。

この「おっさんビジネス用語」の中に、当用語「突貫工事」も含められていた。

「突貫工事」の活用例

「式に間に合わせるため、突貫工事で会場が用意された」
「いち早く運営を実現させるために、日夜、突貫工事で作業を進めなければならない」
「月末が第一期納期のため、とりあえずは突貫工事でもいいから、みんなで進めていこう」
「年度内の完成を目指して、ワンチームで突貫工事を進めざるを得ない」
「もう明日がプレゼン本番だ。資料を突貫工事で作らなければ…」
「突貫工事で作ってしまったので、不具合が出るのも仕方ない…」
「突貫工事で雑に仕上げてしまったから、仕上がりに満足いかない」
「突貫工事で作られた橋だから、強度が心配だ」
「ライブはもう来週だから、突貫工事で応援グッズを作ろう」

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