集団がもたらす怖い心理学!渋谷のハロウィンがなぜあれほど激化したのか?【社会心理学】

暴れる人の3つの特徴

いまやすっかり日本にも定着した感のあるハロウィン。子どもたちが仮装してお菓子をねだる様子は微笑ましくもありますが、一方で渋谷の繁華街では酔って暴れた群集が、軽トラックを横転させるなど、集まった群衆が暴徒化する騒動も起きました。

この渋谷で暴れた人たちのように、普段ひとりのときは絶対にやらないようなことでも、それが群衆になると周囲に影響されてやってしまうということがあります。これが「群集心理」です。

群集心理の特徴としては、「一体感」「無責任性」「無名性」の3つを挙げることができます。群衆はある共通する目的を持って集まるため、そこに一体感が生まれやすくなります。渋谷の例でいえば、集まった人々にはハロウィンという共通の目的がありました

たとえ、ひとりで来ていてもハロウィンという共通項があることで、周囲の人との一体感が生まれやすいわけです。この一体感は気分の高揚を招きます。

感情が高ぶれば、それだけ冷静な判断力や抑制力は低下するでしょう。そこにアルコールも加われば、なおさら歯止めが効かない状態になりやすいわけです。

また、群集は組織の集団と違って、ひとりひとりが役割や義務に縛られることがありません。そのため、なにをしても構わないという無責任性も生じやすくなります。さらに、周囲の人に自分が何者であるかを知られていない無名性によって罪悪感も薄まることから、その場の勢いやノリでモラルに反する行動をとりやすくなってしまうのです。

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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