ふるさとの桜、「てんぐ巣病」から守れ 6500本「ほとんど感染の疑い」 兵庫・丹波篠山市が支援募る

てんぐ巣病の処置作業の様子(丹波篠山市提供)

 兵庫県丹波篠山市は、感染が広がる「てんぐ巣病」から桜の木を守ろうと、ふるさと納税による寄付を募っている。集まった資金で、桜の保護や植樹に取り組む「ささやま桜協会」が、自治会と協力し、病に感染した木々を処置する。(谷口夏乃)

 同市の「市の木」は桜。同協会などによると、市内にはソメイヨシノが約6500本(2016年時点)植わっている。ソメイヨシノは、カビの一種が原因のてんぐ巣病にかかりやすく、同協会の酒井克典理事長は「ほとんどに感染の疑いがある」と話す。

 てんぐ巣病に感染すると、枝の先端部分が細かくほうき状に分かれ、鳥の巣のようになる。枝を放置すると栄養が行き渡らず、花が咲かなくなり、やがて枯死してしまう。病原菌の胞子は空気中に飛散し、他の枝や周辺の桜にも広がるという。

 処置には病気にかかった枝の切除と、切除部への薬剤塗布が有効とされるが、高所作業で危険を伴うため、業者へ依頼すると1本あたり約1万円かかる。また、処置は最低3年続けなければならず、全ての桜を守るためには多額の費用が必要となる。

 処置を続けていくため、酒井理事長は「丹波篠山の桜を見にくる人や出身者、桜への思いがある人など、多くの人に協力をお願いしたい」と呼びかけている。

 目標額は200万円。自治体が特定の課題解決のため、支援者を募る「ガバメントクラウドファンディング」を活用する。7月24日まで。「ふるさとチョイス」から申し込める。市民からの一般の寄付も募っている。丹波篠山市商工観光課TEL079.552.6907

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