映画監督川島雄三没後60年/むつ市で墓前祭

川島雄三の墓前で手を合わせる参列者=11日

 没後60年を迎えた青森県むつ市出身の映画監督・川島雄三(1918~63年)の命日に当たる11日、市民有志でつくる「映画監督川島雄三を偲ぶ会」は同市新町の徳玄寺で墓前祭を開いた。参列した親族や会員ら約30人はあらためて川島の功績をたたえ、今なお多くのファンを引きつける川島の魅力を語り継ぐことを誓った。

 墓前祭は同会が毎年行っており、山本知也市長や大瀧次男市議会議長も参列。県外のファンも訪れた。読経の中、一人一人が墓前に焼香し、境内に建てられた顕彰碑にも花を手向けた。

 偲ぶ会の髙瀨厚太郎会長は「きょうも遠くから多くのファンの方に来ていただいた。これだけ人気のある川島雄三の映像文化への功績を残していかないといけない」とあいさつ。川島が大叔父になる川島一郎さん(67)は「皆さんが知らない川島雄三を少しずつ見いだして、全国のファンに恩返しできるようなことを考えたい」と話した。

 大阪府寝屋川市から訪れた中井達夫さん(70)は「映画から受ける温かい人柄が魅力。SNS(交流サイト)などを通じ、川島への理解が年々広がっていると感じている」と語った。

 川島は45歳の若さで急逝するまで、「幕末太陽傳」「洲崎パラダイス赤信号」など51本の作品を残した。墓前祭の後は、市内のホテルで4年ぶりに偲ぶ会を開催。会員同士が川島について語り合い、親交を深めた。

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