第44回「コロナ禍のレズ風俗。乗り越えて今がある」

先月8日、新型コロナウイルスが「5類」に移行となりました。これまで数年間にわたって一緒に戦い抜き、そして踏ん張ってきたみんなの気持ちや守りつづけてきた対策の数々が、これから一気に変化していくでしょう。 すごい時代に生きているなぁ、とあらためて思います。 実際のところ、みなさんはどう感じているのでしょうか? 新しいコロナ後の生活は今のところ、コロナ禍とコロナ前の両方が重なりあったような状態に見えます。これからどう変わっていくんだろうという楽しみと、すっかり変わってしまってもう戻らないんだろうと考えさせられることと、両方ありますね。 レズっ娘グループでは、2020年の感染拡大以降、たくさんの対策をすみやかに行なってきました。 代表である御坊さんの対処は、どの局面でもとてもはやかったように思います。 外出が制限されていたころ、伝言サービスの「メッセージ+(https://lesbian.osaka.jp/messageplus/)」や、リモートで1対1でお話しできる「2ショット+(https://lesbian.osaka.jp/2shot/)」といった新コースができました。 安全な場所にいながらお客様と触れ合える、とても斬新なアイデアだったと思いますし、みんなで支え合ってお店を守っていこうとする姿勢が一人ひとりから見えてくる、とても大切な時期でした。 「メッセージ+」や「2ショット+」は好評だったので、定番のコースとなって残っています。 お客様も一緒にいろんなことを考えてくれました。少し外出できるようになってからも、デートコースでは時短営業でも行けるお店を一緒に探したり、いろんな工夫をしたり、ふたりで過ごせる時間を少しでも有意義にしようとお互いに一生懸命でした。 ここで踏ん張って、がんばったからこそ、今があるんだと思っています。 お客様の想いがあり、キャストたちはそれぞれのやり方でお店に残って働きつづけ、そして逢えなくてもつながれる新しいコースをお店がちゃんと利用してくださった結果が、今につながっているなぁと、しみじみ感じます。 私がコロナ禍にお逢いしていたお客様のなかで、高額のコースをご予約してくださった方がいました。あるとき、どうしてもキャンセルしないといけない状況になり、それもやむを得ない理由でのキャンセルだったにもかかわらず、支払う予定だった金額をそのまますべてお店と私に残してくれました。 誰もが大変な時期に、なかなかできないことをして助けてくださったことは本当に忘れられません。 その一方で、お店のことが気になって、逢いたいキャストがいて、想いは募るばかり……でも予約ボタンを押すのを何度も断念されたお客様もおられると思います。 見えないところでつらい想いをしたお客様の存在。いろんな理由から自分の思い通りにならないことが重なってしまう、コロナ禍はそんな時期でもありましたよね。 ほかにも「自分が逢いに行かなきゃ」と、遠方から足繁く通ってくださったお客様もおられます。すべてがありがたく、そして何よりその気持ちがうれしくて、今も感謝の気持ちでいっぱいです。 お客様とお店にどれだけ助けてもらったことか。コロナ禍にはつらいことがたくさんあった一方で、本当に忘れられない出来事も数多くありました。その一つ一つがこれからも私のなかで、大切な思い出として残っていくでしょう。 パンデミックによって世界中でいろんなことが変化しましたが、私の人生においてもターニングポイントが訪れたのだと思います。あらためて自分を見直したり、じっくり見つめ直す良い時期だったんです。気づかされたことが本当に多くて、物事の捉え方まで変わったように思えます。 私はいつも、危機こそが人との絆や信頼を確かめ合うきっかけや切り札になる、と思っています。 生と死を見つめ直すときに、人はみずからの生を強く感じられる。私にとって、そうして生きがいを感じさせてくれる場所のひとつが、このレズっ娘グループであるのは間違いありません。 この時期に衝撃とひらめきをいただいたレズ風俗という場所、みなさんにとっても同じだと信じています。 何はともあれ、いまだに私たちとつき合って向き合ってくださっているお客様に本当に本当に感謝を申し上げます。

【ゆう プロフィール】

永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025

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