【ベトナム】ビンファスト、23年売上高は2.9倍目標[車両]

ベトナムの複合企業ビングループ傘下の国産車メーカー、ビンファストはこのほど、自動車事業に関する投資家向け資料を公表し、2023年の売上高が前年比2.96倍の18億7,500万米ドル(約2,612億円)になる見通しを明らかにした。同社が、自動車事業単体の売上高見通しを公表するのは初めて。予想通りの売上高を達成すれば、海外のほかの電気自動車(EV)メーカーを大幅に上回る成長率になるとしている。

米南東部ノースカロライナ州で建設を進める米国工場については稼働時期を「26年までに」との見通しを示し、当初の予定より2年ほど遅れる計画であることを明らかにした。

ビングループと外部のパートナー企業が、17~22年の6年間にビンファストに投じた資金額は計82億米ドルで、ほとんどを北部ハイフォン市の工場の生産設備に活用した。同工場の生産能力は年25万台で、最大で30万台に引き上げることができる。ハイフォンの工場には、中国の美的集団 (Midea Group)の子会社でドイツの産業ロボットメーカーであるクーカ、重電大手のシーメンス、ABB、ドゥール(Durr)などのロボット1,400台以上を導入し、生産している。

23年4月末時点の自動車の累計販売台数は約10万台で、このうち1万3,000台がEVだったとしている。電動バイクの累計販売台数は17万5,000台で、このうち1~4月の販売台数は1万2,300台だった。

同社は23年の売上高が目標通り18億7,500万ドルを超えると、米アマゾンやフォード・モーターが出資する新興メーカーのリビアン、西部カリフォルニア州を拠点とする新興メーカーのルシード、スウェーデンのメーカー、ポールスターなどを大幅に上回る増収率になるとしている。

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