【マレーシア】「東京オートサロン」初開催[車両] 日本車愛好家が集結、会場に熱気

カスタムカーの展示会「東京オートサロン」がマレーシアで初めて開催された=10日、クアラルンプール(NNA撮影)

日本で毎年開催されている改造車(カスタムカー)の展示会「東京オートサロン」が、9~11日にマレーシアの首都クアラルンプールで開催された。マレーシアでの開催は初めてで、日本から搬入された車両を含め多くのカスタムカーが展示された。日本車愛好家を中心に国内外から大勢が来場し、会場は熱気に満ちていた。

「東京オートサロン・クアラルンプール2023」は、マレーシア国際貿易・展示センター(MITEC)で開催。日本から搬入されたカスタムカー14台やマレーシアでカスタマイズされた自動車が展示されたほか、自動車メーカーが同展示会に合わせて準備したカスタムモデル、関連部品が展示・販売された。

三菱自動車のマレーシアの正規販売会社ミツビシ・モーターズ・マレーシア(MMM)は、米国のSFアクション映画「プレデター」をテーマにカスタマイズされたピックアップトラック「トライトン」と、スポーティーなデザインが施されたクロスオーバー多目的車(MPV)「エクスパンダー」を展示。プレデターのキャラクターも登場し、来場者の注目を集めていた。

マレーシアで日産自動車の車の組み立て・販売を手がけるエダラン・タンチョン・モーター(ETCM)は、同展示会に合わせて準備した高級MPV「セレナ」、小型セダン「アルメーラ」、スポーツタイプ多目的車(SUV)「エクストレイル」、電気自動車(EV)「リーフ」のカスタムカーを展示。それぞれ1台限定で販売した。

エダラン・タンチョン・モーターの担当者は「マレーシアは自動車の所有率が高く、カスタムカーの人気も高い」と説明。「普段はカスタマイズ済みのモデルは販売していないが、東京オートサロンで来場者の反応を見たい」と話した。

いすゞ自動車のマレーシア法人、いすゞマレーシアは、ピックアップトラック「D—MAX」の旗艦モデル「X—テレイン」をキャンプ用にカスタマイズしたモデルを展示。D—MAXは、マレーシアで2005年に発売された。22年の販売台数は9,211台と過去最高を記録し、人気モデルとなっている。

米国のSFアクション映画「プレデター」をテーマにカスタマイズされた三菱自動車のピックアップトラック「トライトン」=10日、クアラルンプール(NNA撮影)

■来場者15万人との見通しも

9日に開かれたオープニングセレモニーには、ツンク・ザフルル・ツンク・アジズ投資貿易産業相が出席。開催2日目となった10日には、入場券の販売カウンターに長蛇の列ができていた。20~30代の男性グループや、幼児を連れた家族連れの姿が目立った。会場にはキッズスペースも設けられ、自動車関連の玩具も販売された。

東京オートサロン事務局は開幕時に、9~11日の3日間で8万~10万人が来場すると予測。一方、同展示会を現地で設営したミューズ・グループ・アジアとエレメントXストラテジーズは、最大15万人が来場するとの見通しを示した。

友人と共に来場したクアラルンプール在住のマイケルさん(37)は、「日本車に興味があり、東京オートサロンの初開催を心待ちにしていた」とコメント。「現在は家族向けの自動車に乗っているが、いずれはカスタムカーに乗ってみたい」と話した。

クランタン州コタバルから訪れたハフィズさん(33)は、ホンダのスポーツカー「インテグラ」に乗っているとし、「東京オートサロンのためだけにクアラルンプールに来た。日本から搬入されたカスタムカーや関連部品を見て、今後のカスタマイズの参考にしたい」と笑顔を見せた。

東京オートサロン事務局によると、マレーシアは1人当たりの四輪車所有率が世界で最も高い国の一つで、東南アジア諸国連合(ASEAN)では首位。マレーシアの自動車アフターマーケット市場規模は、25年に68億米ドル(約9,480億円)に達すると予測されている。

東京オートサロンは1983年に日本で始まり、毎年開催されている。来場者は30万人に上り、自動車・チューニング業界における最大級のイベントとなっている。ASEANでは、2013年にシンガポールで開催された。

【左】日産自動車のブース【右】キャンプ用にカスタマイズされたいすゞ自動車のピックアップトラック「D—MAX X—テレイン」=10日、クアラルンプール(NNA撮影)

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