【シンガポール】テマセク傘下企業、ガーナで景観復元事業[経済]

ジェンゼロはアフリカのガーナで景観復元プロジェクトを実施する(同社提供)

シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングス傘下にある脱炭素事業の投資会社ジェンゼロ(GenZero)は、アフリカのガーナで景観復元プロジェクトを実施する。気候変動問題に関する国際的な枠組み「パリ協定」で規定されている2国間の「協力的アプローチ」に基づくものだ。シンガポールは同プロジェクトによる温室効果ガスの削減貢献分を自国の削減分として相殺できる。

ジェンゼロは脱炭素化の加速に特化した投資事業を手がけている。今回のプロジェクトは温室効果ガスを減らして気候変動の進行を緩やかにする気候緩和事業を展開するシンガポールのAJAクライメート・ソリューションズと共同で進める。

具体的には、ガーナ中南部クワヒュ高原の10万ヘクタールの荒廃林地を復元。森の中で農作物を育てる「アグロフォレストリー」向け用地として活用する計画だ。2023年10~12月期に着手する。

協力的アプローチはパリ協定の第6条に盛り込まれている。制度に参加する国は海外で実現した排出削減・吸収量を自国の削減目標の達成に活用できる。シンガポールとガーナは22年11月、2国間の協力的アプローチを実施することで合意していた。

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