タイ国営石油PTT傘下で、電気自動車(EV)生産とEV向け充電スタンドを開発・運営するアルン・プラスは9日、車載電池の世界最大手である寧徳時代新能源科技(CATL)と協力して、タイ東部チョンブリ県にEV向けバッテリー組立工場を設立すると発表した。
事業費は約36億バーツ(約144億円)。年産能力は6ギガワット時で、2024年の生産開始を目指す。CATLはアルン・プラスに、バッテリーの効率性を高めた「セル・トゥー・パック(CTP)」技術を供与し、生産設備も提供する。
CTPバッテリーは、従来のセル—モジュール—パックというバッテリーの製造工程からモジュールを廃し、セルからパックを製造するもの。バッテリーにより多くのセルを入れることで、効率性が高まるとともに生産コストも抑えられるのが特長だ。
アルン・プラスは台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)と合弁会社、ホライゾン・プラスを設立し、現在同県でEV生産工場を建設中だ。24年に生産を開始。年産能力は5万台からスタートし、30年までに15万台に引き上げる計画だ。CATLとの提携で生産されたバッテリーはホライゾン・プラスにも供給される見通しだ。