東北被災地の変遷20枚 茨城・常陸大宮 写真家・黒沢さん、東日本大震災

東日本大震災の東北被災地の写真が並ぶ展示=常陸大宮市南町

東日本大震災の被災地で撮影を続ける茨城県常陸大宮市の写真家、黒沢富雄さん(72)が、同市南町のJR常陸大宮駅前にある空き店舗ショーウインドーで震災直後から現在までの東北被災地の変遷を追った20枚の写真展示を行っている。展示は今月末までの予定。

黒沢さんは震災直後から被災地に足を運び、これまでに撮影した写真は5万枚以上という。ショーウインドーには、2011年4月から今年3月にかけて岩手、宮城、福島の東北3県で撮影した写真を展示する。

満月と写る岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」や、津波被害を受けて住宅街に乗り上げた大型船など、被災した年の様子を多く選んだ。定点的に復興工事の過程を追った写真や、20年に常磐線が全線開通した時の福島県浪江町のJR浪江駅、今年3月に撮影した宮城県石巻市での追悼の竹灯籠など、現在までの状況を伝える。

黒沢さんは「災害の悲惨さを伝え、見た人に地震はいつ起きてもおかしくないと意識を持ってほしい」と話した。

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