刺繍をはじめる第一歩にぜひ読んでほしい!刺繍があると暮らしがもっと楽しくなるVol.1 刺繍糸とハサミ

Instagramで大人気刺繍作家のアトリエ鳥屋さんにご協力いただき、初心者さんにおすすめの刺繍道具と材料、刺繍の基本をご紹介いただきます。「刺繍にチャレンジしてみたい」けれど、「なにからはじめていいかわからない……!」と、このようなお悩みをお持ちではありませんか?刺繍は針と糸とハサミさえあれば、いつでもはじめることができます。

刺したい図案が決まったら、まずは必要最小限のものを揃えてみましょう。縫いすすめるうちにこれがあったら便利だな、あの道具があれば刺しやすくなるなと、道具を少しずつ買い足していくと、より刺繍をたのしむことができますよ。

どの糸を選ぶべきか迷う!さまざまな種類の “刺繍糸”

最近は100円ショップでも購入することができる刺繍糸。糸の太さや質感などその種類の豊富さに、どれを選べばよいのか悩んでしまいますよね。

刺繍をはじめるなら、色が豊富で扱いやすい25番刺繍糸がおすすめです。フランス刺繍やクロスステッチでよく使うのは、主に25番糸です。刺繍糸はほかにも種類があるので、作品によって糸を使い分けるのも刺繍のたのしみです。

5番刺繍糸・・・25番糸よりも太い。太めのステッチをする場合や、比較的大きな作品に使用されます。
12番刺繍糸・・・5番糸よりも細い。シャープなラインが出せるため、細かい部分の刺繍をする際によく使用されます。
ウール糸・・・ふんわりふっくらとした質感。立体感を出したいときにおすすめです。
絹糸(シルク)・・・高級感のある光沢が特徴。上品にみせたいときにおすすめです。
レーヨン糸・・・なめらかで光沢感がある。高級感がありますが、シルクより安価なため手に入れやすいです。

手に入りやすいDMC、COSMO、Olympusの25番糸を好んでよく使います。各社、色や質感にこだわりをもち、まったく同じものではないので、無限のパレットを手に入れた気持ちになります。DMCの糸はツヤがあり、はっきりとした色合いで油絵のようなタッチが特徴です。 COSMOとOlympusの糸は、刺し心地がスルッとなめらかな印象があります。繊細でくすみカラーの配色が魅力的で、お店の棚の色並びがわかりやすく扱いやすい糸です。DMCに比べ、日本人好みの刺繍がしやすい印象です。 また刺し慣れてきたら、ほかの種類の糸を取り入れてみることもおすすめします。刺繍糸はさまざまで、作品によって全体、または部分的に糸を選んで使い分けます。グラデーション糸や、アクセントとしてウールの温かみや厚さをを用いると、たのしみが広がります。一箇所だけでも使ってみると作品全体の印象がガラッと変わりますので、ぜひお試しください。(アトリエ鳥屋

ハサミは2本用意しましょう

ハサミは布を切る「裁ちバサミ」と、糸を切る「糸切りバサミ」があるのでそれぞれ用意しましょう。

裁ちバサミは主に2種類あり、鉄と鋼を使用した着鋼とステンレスタイプのものがあります。着鋼は薄い布も厚い布も簡単に切ることができ、切れ味がよく値段が高いのが特徴です。一方でステンレスタイプは手入れが簡単で、軽く使いやすいため刺繍初心者さんにおすすめです。布を切るときは、テーブルや床など平らなところに置いて切ると、曲がらずきれいに切れます。

もうひとつ用意したいハサミが糸切りバサミです。刺繍をするときに欠かせない道具なので、必ず用意しましょう。糸切りバサミは普通のハサミと違って、握って開いてという作業がいらないのでパッと切れるのが特徴です。

糸切りバサミはそれだけでいくつもコレクションをしてしまいたくなるほど、オシャレなハサミが世の中にたくさんあり、実は私も集めています。刺繍用に使うので、大きすぎず、切る先端を狙いやすいものがおすすめです。どの糸切りバサミもよく切れますが、私は京都“有次”の糸切りバサミを長年愛用しています。持ち味、切れ味、風合いどれも見事で手放せません。名前も入れてもらえるので愛着が湧き、自分で研いで長年愛用しています。これから刺繍をはじめる方は、おしゃれなアンティークバサミなど、気持ちがわくわくする一品をぜひ探して愛用していただきたいです。(アトリエ鳥屋

▲ 刺繍パパ「アトリエ鳥屋(とや)Embroidery」 撮影

刺繍パパ アトリエ鳥屋
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つくりら
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【書誌情報】 『刺しゅうの基礎』 安田 由美子 著

初心者はもちろん、刺繍をする人にこそオススメです!コンパクトなのに、刺しゅうの基礎はもれなく入っています。最も一般的な欧風刺しゅう(自由刺しゅう)のステッチはもちろん、クロスステッチ、リボン刺しゅう、ビーズ刺しゅう、アップリケまで。思わず刺してみたくなる、素敵なサンプラーも多数紹介。初心者の方はもちろん、ふだんから刺しゅうをしている人こそ、手元に置いておくには最適な一冊です。

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