中国核弾頭は推計60発増 「戦力著しく拡大」平和研が指摘

中国建国70年の軍事パレードに登場した多弾頭型大陸間弾道ミサイル「東風41」。核弾頭が搭載可能で、米国のほぼ全域を射程に収める=2019年10月、北京(新華社=共同)

 【ロンドン共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は12日、今年1月時点の中国が保有する核弾頭数が昨年同月から60発増え、推計410発になったと発表した。「中国が既に核戦力を著しく拡大し始めている」と指摘、今後も増加が見込まれ「国の安全維持に必要な最小限の核戦力」とする中国の説明との整合性が取りにくくなっているとした。

 世界の核弾頭総数(推計)は昨年から微減し1万2512発。解体予定を除いた運用可能分は9576発で、86発増えた。作戦用に配備された核弾頭数は3844発だった。

 核兵器の生産拡大を進める北朝鮮は5発増え約30発に上ると推定した。50~70発分をつくるのに十分な量の核分裂性物質を保有しているとも分析した。

 核弾頭数はロシアが最多で5889発、米国が5244発で、2国が世界の9割近くを占める。

 ロシアは今年2月、ウクライナ侵攻を巡る米欧との対立を背景に、米ロ間に唯一残る核軍縮合意、新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を表明した。

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