日展出品の裸婦像も 茨城県功績者・槙野さん彫刻展 16日まで 地元・城里で10点紹介

自らの作品が並ぶ会場に立つ彫刻家の槙野仁一さん=城里町役場庁舎内の町民ホール

茨城県城里町在住の彫刻家、槙野仁一さん(79)が2022年度、県功績者表彰を受けたことを記念する「槙野仁一彫刻展」が16日まで、同町石塚の町役場1階の町民ホールで開かれている。町を拠点にする芸術家とその作品を広く町民に知ってもらおうと、町が企画。公募美術展の日展に出品した裸婦立像など計10点を展示している。

槙野さんは1943年、旧大和村(現桜川市)生まれ。県立日立一高、茨城大卒。城里町(旧桂村)は妻の地元で、大学を卒業後、美術教員となり、常陸大宮市内の中学校に赴任した際、同町内に居を定めた。

彫刻は、大学生時代に出合い、30代半ばから日展作家の能島征二氏と小森邦夫氏に師事。81年に日展に初入選。98年と2005年に特選を受賞し、15年会員になった。最近では21年に日展会員賞を受賞している。

展示作は高さ180センチなどの裸婦立像を中心に、50センチ前後の小品や頭像、胸像を加えた。1981~2022年に制作した作品で構成している。

創作のテーマは「自然」からの触発で得ることが多く、出品作の題名にも表れている。「瀬音」(04年)という作品は、特に槙野さんが「気に入っている」1点。裸婦の立像で、S字の曲線を描いたポーズと穏やかな顔の表情から、さらさらとした川のせせらぎの音が聞こえてきそうだ。

同町に住み、40年以上、彫刻家として創作を続けている槙野さんだが、地元で作品が紹介される機会は、これまでほとんどなかったという。展示を担当する町教委の大津明則局長補佐は「この機会に、槙野さんのことを知ってもらい、併せて町民が文化に対する関心を高めてもらうきっかけにもなれば」と話している。

入場無料。鑑賞できる時間は平日午前9時~午後5時。土日は午後3時半まで。最終日は午後4時まで。問い合わせは町役場(電)029(288)3111。

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