乗馬には美容効果があります！と言っても、乗馬と美容に直接の関係があるとは思えない方も多いのではないでしょうか？乗馬は馬に乗っているだけ、と思われがちですが、全身の有酸素運動であるため、筋力の増強やストレス発散、リフレッシュにも最適です。この記事では、乗馬を始めるとどのような美容効果が期待できるのか、紹介します。
なぜ効果的？
運動強度
馬上は揺れるため、全身の筋肉を使ってバランスを取っています。そのため、馬に乗っているだけでも、かなりの運動量があります。運動の強度を示すMetsを見てみましょう。安静時を1 Metsとした時、常歩は3.8 Metsで、ボウリングや器械体操と同じくらいの強度です。速歩は5.8Metsで、ゆったりとしたクロール、駈歩は7.3 Metsでスカッシュと同じ強度です。また、馬装や手入れも4.3～4.5 Metsでバスケットボールのシュート練習やトランポリン競技と同じくらいの強度になります。騎乗時だけではなく、準備や手入れを含めて運動強度は高めです。適度な疲労感を得られるため、美容の大敵であるストレスの発散になります。
ご参考
Metsについてはこちら（身体活動・運動の単位 厚生労働省）
Metsの一覧表はこちら（改訂版『身体活動のメッツ（Mets)表』国立健康・栄養研究所）
有酸素運動
乗馬は血行を促す有酸素運動です。有酸素運動の効果には心肺機能の向上や代謝の改善、脂肪燃焼があります。20分以上続けると脂肪燃焼の効果をさらに高めると言われているため、多くのクラブで1鞍が40～50分の乗馬はダイエットに最適です。体に一定の負荷がかかって、発汗することから、肌の老廃物が排出され、リフレッシュ効果もあります。美容にも身体にもいい効果が期待できます。
呼吸法
騎乗時にインストラクターから「深呼吸をして」と言われる方も多いのではないでしょうか？緊張して身体に力が入っているのかもしれません。鼻からお腹を膨らますように大きく息を吸って、口からゆっくり吐くように深い呼吸（腹式呼吸）をすると身体の力が抜けて、体を柔らかく使えるようになります。乗馬では、上半身、下半身、腕、腰と体の様々な部位を別々に動かす必要があります。しかし、力が入っていると、体を別々に動かすことができません。また、力を抜くと馬にも乗り手がリラックスしていると伝わり、馬もリラックスして動ける相乗効果が認められます。
腹式呼吸による美容効果
腹式呼吸をすることにより副交感神経が優位になり、リラックス効果、睡眠の質や腸内環境の改善、新陳代謝の向上、ストレス緩和などの効果が得られます。その結果、睡眠の質や便秘の改善などにつながり、美肌などの二次的な美容効果が期待できます。乗馬を続けていくうちに、自然に腹式呼吸が身につけば、日常生活でも様々な美容効果が認められるようになるでしょう。
姿勢
馬上で全身の筋肉を使っているため、乗馬を続けていると体幹がしっかりしてきます。また、馬と上手にコンタクトを取るためには、しっかりした体幹に加えて、身体を起こすことも大切です。とは言っても、馬上で体を起こすのは、見た目以上にハード。油断をすると肩が前傾したり、鞍の後ろに腰掛けるように座ったり、無意識に楽な体勢で騎乗しようとします。しかし、このような姿勢で馬に指示を送ると、乗り手の意図が馬に伝わりづらくなってしまうことがあります。ベテランの乗り手は体幹がしっかりしているうえに、豊かな経験から、馬を動かしやすい姿勢=背筋がピンと伸びたきれいな姿勢が自然と身についているのです。このように鞍数が増えて、体幹が強化されたら、騎乗時以外の姿勢もきれいになり、猫背や巻き肩なども少しずつ解消されていくでしょう。きれいな姿勢を身に付ければ、姿勢の維持に体幹がさらに鍛えられ、基礎代謝も上がり、太りづらい身体になっていくという好循環も生み出します。また、猫背が矯正されるだけで、肺活量が増えるという研究結果も出ており、美容と健康の両面に効果が期待できます。
非日常体験
乗馬クラブの多くが自然の豊かな場所にあり、非日常的な環境や時間の流れ方にリラックスできるでしょう。また、ホースセラピーで効果が証明されているとおり、馬には精神的な癒しをもたらしてくれる不思議な力があります。そんな馬たちが自分の指示どおりに動いてくれた時の一体感や感動は、ほかのスポーツでは味わえません。また、普段の生活では、なかなか体験しない目線の高さで風を切る感覚も新鮮です。日常生活から心身ともに解き放たれ、ストレスも緩和されるでしょう。
まとめ
乗馬から得られる美容効果について紹介しました。乗馬には、身体面や健康面、精神面、美容面に関する様々な目に見えない効果があり、それが上手く絡み合うことによって、目に見える効果をもたらします。すぐに期待できる効果もありますが、継続すればするほど、その恩恵は大きなものになっていくでしょう。継続していくのが大切なのは、普段の美容対策と似ているかもしれませんね。
