第72回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、ドキュメンタリー賞などを受賞した映画「ミャンマー・ダイアリーズ」が、2023年8月5日より劇場公開されることが決まった。軍事クーデター以降のミャンマーが舞台の映画としては、初めて国際的な場で上映された作品である。
2021年2月1日、エクササイズの動画配信を行う女性の後ろでは、軍の車両が集結していく。抗議活動に参加したことにより指名手配をうけ、引き裂かれるパートナー。理由もわからず拘束される母を守るため、必死に抵抗する幼い子ども。軍と戦うために地元を離れて戦闘訓練を受ける若者たち。自身が拘束される様子を必死に配信するジャーナリスト。パンデミックの最中に隣国へ一人で避難した女性は、隔離中のホテルで平和だった頃の記憶をノートにつづる。ドキュメンタリーとフィクションを横断し、圧政下のミャンマーにおける市民の声の断片を生々しく伝えた作品となっている。
インターネットは定期的に遮断され、軍に都合の悪い情報を発信するメディアやSNS投稿が処罰の対象となるなど、国内外に情勢を伝えることが困難な中、若手ミャンマー人作家たちが自らの匿名性を維持しながら“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。それぞれの日常から生まれた10人の映画監督による短編映画とSNSに投稿された一般市民の記録映像をシームレスにつなぎ、抑圧された日常における”一人称の物語”をつむいでいく。
【作品情報】
ミャンマー・ダイアリーズ
2023年8月5日（土）より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
配給：株式会社E.x.N
© The Myanmar Film Collective
