さとう珠緒「50代、未婚。私のメンタルケアのアンテナ」

‘22年に内閣府が発表した「少子化社会対策白書」 によると、50歳時点で一度も結婚をしたことがない女性の割合=生涯未婚率は17.8%。もはや「結婚適齢期は25歳」という認識は、とうの昔に時代錯誤に。多様な生き方が尊重される今、タレント・さとう珠緒さん(50)に「おひとりさま」の実情について聞きました。

“ぶりっ子キャラ”でブレークした、さとう珠緒さんは現在未婚。根っからの出無精で、一人で過ごす時間もまったく苦ではないと話す。

「今世でいちばんというくらい、私にとって“自由”が大事なテーマだと思っています。独身歴が長いからそう思うだけで、そうでなければ違ったのかもしれないですけど……。ただ、少子化問題もありますし、一概に未婚の自由をおすすめしたいわけではありません」

以前、テレビ番組で、「『50歳になってお互い独身だったら結婚しよう』と言っている人が何人かいる」という話を披露していた。その真意を尋ねてみると、

「そういう話もありましたね(笑)。まったく本気ではなく、お酒の席で酔ったノリなので、何人かに言っていたという感じです。そういえば、50歳になって数カ月たちますが、何も連絡ないですね(笑)」

老後や病気など何かあったときのために、パートナーはいたらいいと思うが、いなくてもいいと続ける。トキメキやドキドキのある恋愛は苦手なのだとか。恋愛が楽しかったピークについて聞くと、

「最近はそういう感じじゃないとしても、過去形にはしたくないですよね。これから楽しいピークがやってくるかもしれないですし。結婚についても、ずっと『いつかするんじゃないか』と思っていたら50歳という感じで。でも、私はどんなに仲のいい夫婦にも絶対に何かあると思っちゃうんです。勝手に思っているだけかもしれませんが。ひねくれていますかね(笑)」

結婚に対するこだわりはなく、ふだんは何も考えていないという。70歳の叔母も未婚だといい、仲間と楽しそうに過ごす姿を近くで見てきたことも大きそうだ。

「感覚が若くて、おいしいものを食べて、私もそうなったらいいなって。そもそも、結婚ってそんなに古くからある制度じゃないらしいですし、結婚しないといけないわけじゃないですよね。でも、急に『明日結婚しよう』となる可能性もゼロではないと思っています」

未婚だからというわけではないが、落ち込むこともある。そんなときにはどう解決しているのだろう。

「私は好きなものを食べたり、温泉や神社に行ってリフレッシュすることが多いですね。ユーチューブで『金運が上がる』とか、いかにも怪しい動画を見るのも好きです。心が落ち込みすぎたら立ち上がるのが大変なので、人からすすめられたものを見たり、実行してみたり、メンタルケアのアンテナは常に立てています」

ふだんの癒しは、もうすぐ2歳の愛犬。観葉植物に水をあげることも好きだといい、家で過ごす時間も大切にしている。

「年を取っていくと、自分の取扱説明書みたいなものができていくような気がします。好き嫌いもそうですし、落ち込むなってときには、もう一人の私が手を差しのべるというか。どこか俯瞰で自分を見ているようなところも。自分の幸せは自分にしかわからないですし、これからも私なりの自由を大事にしていきたいです」

© 株式会社光文社