今週6月15日は全米1位から60年、坂本九「上を向いて歩こう」スペシャルBOX発売

永六輔作詞・中村八大作曲・坂本九が歌った「上を向いて歩こう」が、「SUKIYAKI」というタイトルで発売され、アメリカで最も権威のあるヒットチャートビルボード誌のシングル部門の1位に輝いたのが1963年6月15日。この歴史的快挙から60周年にあたる今週6月15日、今も世界中で歌い継がれ愛されている「上を向いて歩こう/ SUKIYAKI」に関連するアイテムをBOXに収納した『THE BOX of 上を向いて歩こう/SUKIYAKI』が発売される。

発売に先立って、BOXに収納される日本・東芝音工初回盤「上を向いて歩こう」とUS・キャピトル初回盤「Sukiyaki」初の再現復刻EPや、2枚組CD『689 SONGBOOK』と上を向いて歩こう特集回のDVD『夢であいましょう』のジャケット写真、そして「上を向いて歩こう」解説や年表・写真収録の36P.スペシャル・ブックレットのビジュアルが公開された。

またこのBOXでエディター&解説原稿を執筆した娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサーの佐藤利明氏による「上を向いて歩こう」についてのYouTube動画“『上を向いて歩こう/SUKIYAKI』1963年の奇跡”が本日より公開された。「上を向いて歩こう」がどのようにして生まれたのか、どのような経緯を辿って1963年に『SUKIYAKI』として全米でヒットしたのか、さらに当時の日本映画界にどのような影響を及ぼしたのかなど、現在も世界中で愛される『SUKIYAKI』こと『上を向いて歩こう』の知られざる過去を解説している。

「上を向いて歩こう」は、作曲家の中村八大が1961年7月21日に開催した自身のリサイタルにおいて、自ら出演を要請した坂本九に向けて永六輔と創作した楽曲。リサイタルでの好評を受けて坂本九のシングル曲としてレコーディングされ、NHKのバラエティ番組『夢であいましょう』でも“今月のうた”として取り上げられた。1961年4月8日から1966年4月2日まで毎週土曜日22時台に日比谷会館、日比谷第1スタジオから生放送されていた同番組では毎月1曲、永六輔作詞・中村八大作曲による“今月のうた”が作られ多くのヒット曲を送り出したが、「上を向いて歩こう」は1961年10月の“今月のうた”として放送されるや大きな反響を呼び起こした。10月15日に発売されたシングル盤は、発売から3か月で30万枚を突破し、当時の日本のレコード売り上げランキング(『ミュージック・ライフ』誌に掲載されていた国内盤ランキング)では1961年11月から1962年1月まで3か月にわたり1位を独走した。
翌1962年にはフランスやドイツ・北欧などヨーロッパ各国にて「上を向いて歩こう」のタイトルのままシングル盤を発売、1963年4月下旬にアメリカのメジャー・レーベルであるキャピトル・レコードからプロモーション盤が全米のラジオ局へ送付された。その反響が良かったことから、5月3日にキャピトル・レコードからシングル盤が「SUKIYAKA」のタイトルにてリリースされるやたちまち大ヒット、遂にはビルボード誌のシングル・チャートで「SUKIYAKI」として6月15日から3週連続で1位に輝いた。なお、日本人の楽曲がビルボード・チャートで1位を獲得したのは後にも先にもこの曲のみである。

今回のBOXでは1961年に日本で発売されたシングル盤と1963年にアメリカで発売されたシングル盤を、どちらもオリジナルに忠実にモノラル音源で収録。1963年発売のアメリカ盤が日本国内で発売されるのは今回のBOX企画が初めてとなるため、当時の日本とアメリカのファンが実際に聴いていたサウンドを坂本九の歌声とともに再現できる。

またDVDにはNHK『夢であいましょう』の1963年6月8日放送分が、NHKエンタープライズが開発したビデオマスター素材のレストア技術“NEPビデオレストアサービス”によりアップグレーディングを施し初収録される。当日の放送回は、1963年に“SUKIYAKI”のタイトルで全米チャート(ビルボード誌)にて三週連続1位を記録する直前の放送であり、世界各国でのヒットを受けて「上を向いて歩こう」のさまざまな国のバージョンを紹介する「上を向いて歩こう 特集」で、坂本九も生放送で歌唱している。

同梱される2枚組CD『689 SONGBOOK』は、2011年にリリースされた2枚組CD『坂本九アニバーサリー・ベスト〜689 コンプリート』をリマスターして高音質SHM-CDにし、タイトルやジャケットビジュアルも一新して復刻したもの。DISC-1は“六・八・九トリオ”が1961年〜1967年にリリースした16曲に加え、当時はレコード化されなかった「背伸び」を加えた17曲を収録。DISC-2は1979年リリースのオリジナル・アルバム『689』の復刻盤。永六輔・中村八大・坂本九による初のコンセプト・アルバムとして制作された当時のLPレコードの帯に“黄金の689トリオ、16年ぶりに再会!”と書かれた通り、「上を向いて歩こう」が全米チャート(ビルボード誌)で三週連続1位を記録した1963年から16年ぶりの作品であり、このCD2枚に収録された28曲で“六・八・九トリオ”が残した全ての録音を辿ることができる。

ブックレットでは「上を向いて歩こう」が全米1位を獲得した経緯や意義などを、2023年の視点で、娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサーの佐藤利明氏が解説。さらに「上を向いて歩こう」に関する年譜や当時の貴重な写真や各国のジャケットなどの資料も掲載予定。

2023年現在でも全米チャートで首位を獲得した日本人の楽曲は存在しない。『THE BOX of 上を向いて歩こう/SUKIYAKI』は、永六輔・中村八大・坂本九による「上を向いて歩こう」が60年前に成し遂げた快挙を、当時の“音”を体験しながら様々な角度から味わえるパッケージである。

◇ YouTube動画“『上を向いて歩こう/SUKIYAKI』1963年の奇跡” 概要
『上を向いて歩こう/SUKIYAKI』1963年の奇跡 前編
娯楽映画研究家の佐藤利明によるYouTube動画。
今回取り上げるのは、1961年のリリース以降、あらゆる世代で親しまれている、名曲中の名曲『上を向いて歩こう』。
この動画では、改めて『上を向いて歩こう』が誕生し、ヒットしていった1961年の奇跡の軌跡を語る。

『上を向いて歩こう/SUKIYAKI』1963年の奇跡 後編
1961年にリリースされた『上を向いて歩こう』が、当時の日本映画界に与えた影響、そして、1963年に『SUKIYAKI』として全米ヒットしていった足跡をたどる。アメリカではビートルズよりも先にリリースされ。現在も世界中で愛される『SUKIYAKI』となった。その1963年の奇跡の軌跡を語る。

◇商品概要
『THE BOX of 上を向いて歩こう/SUKIYAKI』 [限定生産]
2023年6月15日(木)発売
仕様:シングル・レコード2枚 + SHM-CD2枚 + DVD1枚 + ブックレット
シングル・レコード・サイズBOX入り
価格:12,000円+税 
品番:UPCY-90204
発売元:ユニバーサル ミュージック合同会社
制作協力:NHKエンタープライズ

◎BOX収録内容
[1] シングル・レコード2枚「上を向いて歩こう」
~日本・東芝音工初回盤「上を向いて歩こう」とUS・キャピトル初回盤「Sukiyaki」初の再現復刻EP
 ・1961年10月15日国内発売 B面「あの娘の名前はなんてんかな」モノラル
 ・1963年5月3日アメリカ発売 B面「あの娘の名前はなんてんかな」モノラル
※タイトルは「SUKIYAKA」
[2] SHM-CD2枚組『689 SONGBOOK』
~1979年リリースのアルバム『689』および、689トリオの全作品を網羅した2011年のCD『689コンプリート』を高音質CDで新装再発
DISC-1
M.01 上を向いて歩こう
M.02 あの娘の名前はなんてんかな
M.03 ヒゲの唄
M.04 一人ぼっちの二人 (Original Version)
M.05 君なんか 君なんか
M.06 帰りたい僕
M.07 刀を抜いて
M.08 サヨナラ東京
M.09 君が好き
M.10 ミーケとマライケ
M.11 僕が君なら
M.12 僕と今夜
M.13 これが音楽
M.14 うちの大物
M.15 ラブ・ラブ・ラブ
M.16 久し振りのあなた
M.17 背のび
DISC-2
M.01あの時の約束
M.02 誰かさん
M.03 スポットライト
M.04 一人ぼっちの二人
M.05 生きていてよかった
M.06 そして想い出
M.07 夜明け夕焼け
M.08 いろはにほへと
M.09 灯りを消して
M.10 坊や
M.11 結婚通知
※全曲 作詞:永六輔・作曲:中村八大・歌唱:坂本九
※DISC-1 M.01~09,17はモノラル
[3] 36Pスペシャル・ブックレット
~「上を向いて歩こう」解説や年表・写真収録のスペシャル・ブックレット
エディター&解説:佐藤利明、テキスト:中村力丸・新田和長
[4]DVD『夢であいましょう』上を向いて歩こう 特集(30分)
~1963年6月8日にNHKで放送された映像を最新技術でレストアし初リリース
※出演:永六輔、中村八大、坂本九、黒柳徹子、中嶋弘子、金井克子、藤村有弘、E・H・エリック

『THE BOX of 上を向いて歩こう/SUKIYAKI 』 | UNIVERSAL MUSIC STORE

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