遺伝情報で差別経験「ある」3% 東大調査、17年から改善せず

遺伝情報に基づく差別に関する調査結果

 自分や家族が遺伝情報に基づく差別的な扱いを受けた経験の有無を尋ねたところ、約3%が「ある」と回答したとの調査結果を、東京大などのチームがまとめたことが12日分かった。具体的な場面として結婚や妊娠、出産が挙がった。2022年4月に実施したもので前回17年の初調査から割合は減っていない。遺伝情報の取り扱いに不安を抱く人は前回より減ったが、不適切な扱いへの罰則を設けた法律が「必要」と答えた人は増えた。

 今月9日に成立した、遺伝情報を診断や治療に利用する「ゲノム医療」を推進する法律には、遺伝差別の防止が盛り込まれたが罰則規定はなく、どこまで効果的な対策を取れるかが課題となる。

 調査した武藤香織・東京大教授は「ゲノム医療への理解がある程度進み、何か問題が起きた場合の備えを求める人が増えているのかもしれない」と分析する。

 チームは民間会社を通じて、国勢調査データから抽出した20~69歳の男女にインターネットで質問、約5千人から回答を得た。3.3%が差別の経験があると答えた。

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