【動画】「私の顔、治せる…?」 水がんで顔に穴が開いた少女 医師の願いとは

ナイジェリアのソコト水がん(すいがん)病院は、水がん患者にとって、かけがえのない治療と癒しの場だ。「水がんで顔が変形した患者さんが、治療を受けて社会生活を送れるようになるととても嬉しいです」。同病院の形成外科医、ムハマド・ラワルはそう話す。

水がんは、口の中の粘膜が病原菌によって破壊され、顔の表面にまで達して命を落とすこともある壊疽(えそ)性の口内炎。患者は顔の形が大きく変わってしまうため、食事や会話も困難になり、その外見から差別に直面することも少なくない。 再建手術に取り組むラワル医師が出会ったのは、水がんに罹患した幼い少女アイシャさん。手術を経て、医師が改めて願うこととは──

国境なき医師団(MSF)の水がんへの取り組み

MSFは2014年からナイジェリア保健省が管轄するソコト水がん病院を支援。再建外科手術、栄養面や心のケアでの支援、アウトリーチ活動などを展開している。2014年以降、外科チームは717人の患者に対して1066件の手術を行った。 2020年には、国際社会に向けた啓発と渉外活動を含む、国際キャンペーンを開始。その最終目標は、水がんが世界保健機関(WHO)の「顧みられない熱帯病」(NTDs)のリストに掲載されることだ。リストへの追加により国際社会の注目が集まり、予防や治療に必要な資金や人員の配分が期待されている。

ソコト水がん病院で手術を終えたアイシャさん(写真右)。学校に行く日を心待ちにしている Ⓒ Fabrice Caterini/Inediz

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