ドライバーの運転時間20時間短縮も!「2024年問題」の解決策となるか?RORO船の“運び方改革”に熱視線

物流業界に「2024年問題」と呼ばれるドライバー不足の危機が迫っています。静岡市では6月12日、この問題を解決する手段として注目されている「RORO(ローロー)船」の見学会が行われました。

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清水港に現れた全長173mの巨大な船。これが「RORO船」です。クレーンでコンテナを積み込む貨物船とは違い、RORO船は船内に直接トレーラーが入り、荷台を降ろしていきます。

RORO船から出てくるトレーラー

RORO船は「ロール・オン・ロール・オフ船」の略で、港から港へ、荷台だけやトラックのまま貨物を運ぶことも可能です。12日は荷物の積み下ろしのデモンストレーションが行われました。

<植田麻瑚記者>

「いま、作業員によって荷台の切り離し作業が行われています。船内に残るのは、荷台のみです」

この船はトレーラー130台と乗用車50台分を一度に運ぶことができるため、積み下ろしの時間が短くなるほか、CO2も削減できます。

ドライバーの長時間労働が指摘されてきた物流業界。2024年4月に施行される働き方改革関連法で、年間の時間外労働が960時間に制限されます。ドライバー不足が懸念される中、活用が広がるのがこのRORO船です。

例えば、福岡市から東京都内まで陸路で荷物を運ぶと24時間の運転が必要になります。しかし、大分港から清水港までRORO船での輸送に切り替えることで、ドライバーの運転時間は約20時間短縮できるのです。

清水港では現在、2社3航路が就航していて、関東・甲信越のゲートウェイとして大きな役割を担っています。RORO船で輸送する運送会社は、航路の拡大に期待を寄せています。

<鈴与カーゴネット静岡支店 米澤貴博支店長>

「もっともっと便数を増やして頂ければ、北海道向けの需要もこれから増えていくと思います。ますます、RORO船のニーズが高まりつつあります」

2024年問題の解決策とされるRORO船の「運び方改革」。物流業界の救世主となるのでしょうか。

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