障害者の日常DVD化 小中学校に配布 宮崎

宮崎市自立支援協議会「障がい理解啓発部会」が製作した、障害者の日常を追ったDVDの一場面

 障害にかかわらず誰もが暮らしやすい地域社会について考えを深めてもらおうと、宮崎市自立支援協議会「障がい理解啓発部会」(永山昌彦部会長)は、障害者の日常を追ったDVDを製作した。市内の全公立小中学校72校に配布しており「共に考え、行動するきっかけになれば」としている。
 動画は14分。同市で一人暮らしをする、脳性まひで手足が不自由な和田祥吾さん(43)に密着した。雨の日に電動車いすで外出した際は、かっぱを脱いだり畳んだりするのを来店先の店員が補助。周囲の手を借りながらの買い物や、道中の店に立ち寄りトイレを借りる様子なども収めた。最後は編集を手がけた森愛実さん(32)が「地域で安心して自立した生活を送るにはどうあるべきか。一緒に一歩踏み出そう」と呼びかける。
 動画を見るだけで終わらないよう、市内教員の協力を経てDVDの説明書も作成。子どもの気付きを促すポイントをまとめた。
 「困った時に助けを求めることで周囲と良い関係を築けた。人のつながりの大切さが伝われば」と和田さん。永山部会長は「動画を見た子どもたちには家庭で感想を話し、家族でも共生社会を考えてほしい」と期待を込めた。

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