兵庫県内公立校の教員不足、さらに深刻 前年比50人増の164人 県教委調査 時間割やりくりし不足分授業をカバー

兵庫県庁3号館=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県教育委員会は12日、神戸市立を除く県内の公立学校での教員不足が164人に上るとする調査結果を発表した。前年から50人増えており、計画通りに配置できていない実情を明らかにした。

 県教委が、各市町と県立学校の5月1日時点の教員不足について、短時間勤務の非常勤講師を常勤換算して調べた。小学校73人(前年比27人増)▽中学校61人(同15人増)▽高校18人(同2人増)▽特別支援学校12人(同6人増)-だった。

 担当者が原因に挙げたのは、採用数が多かった年の教員が定年退職を迎えたことや、産育休取得者の増加。現場では、他の教員が不足分の授業をカバーし、同じ教科が重ならないように時間割をやりくりするなどして対応しているという。

 教員不足解消に向け、県教委は今月末、教員免許はあるが勤務経験がない「ペーパーティーチャー」らを対象に、講師登録を視野に入れた講習を実施する。県立高校・特別支援学校生向けの進路ガイダンスにブースを出すなど、志望者を増やす取り組みにも力を入れるという。

 ただ、急に採用を増やすと年齢構成がいびつになるため、平準化に考慮しつつ教員確保を目指すという。担当者は「できることは何でもするが、特効薬がない。教職の魅力を発信するため、草の根の活動をしていきたい」と話した。(大橋凜太郎)

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