エルサルバドル史上最高の選手!伝説の「魔術師」マヒコ・ゴンサレスとは何者か。

日本代表は今月15日午後7時10分(豊田スタジアム)で、エルサルバドル代表と対戦する。

これまでエルサルバドル代表とは過去に1試合対戦しており、2019年6月9日にFW永井謙佑(現・名古屋グランパスエイト)の2得点により2-0で勝利を収めた。

1969年にエルサルバドルとホンジュラスとの間で勃発したサッカー戦争は、エルサルバドル代表の試合がきっかけだった。

戦争に発展するほどサッカーに熱い国だが、日本ではあまり周知されていないエルサルバドル。

過去にアルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナが「自分より優れている」と認めたマヒコ・ゴンサレスは、エルサルバドル史上最高の選手であり、多くの人たちを魅了してきた。

今回はあまり日本で知られていないエルサルバドルの魔術師に迫る。

あのマラドーナが認めた天才的な魔術師

エルサルバドルの首都サンサルバドルで正を受けたゴンサレスは、ストリートサッカーなどで技術を鍛えたといわれている。

1975年エルサルバドルのアンテルでプロデビューし、類まれな技術と奇想天外なアイディアで敵味方を魅了した。

足下にボールがピタリと離れないタッチ技術、相手の逆を突く切り替えし、すり抜けるように突破するドリブル、相手の想像を上回る創造性と、北中米屈指サッカーの選手として大きく注目された。

1982年からスペインへ渡り、並外れたテクニックで「マヒコ(魔術師)」と称賛された(エルサルバドルでは同じ意味でマゴと呼ばれていた)。

同時期にバルセロナで活躍していたマラドーナは「(マヒコは)自分より優れた選手だ」とゴンサレスを称賛したエピソードは有名で、右利きのマラドーナと評されることもあった。

ラ・リーガを魅了したカディスの英雄

カディスでスペインデビューしたゴンサレスは、1983-84シーズンに18試合11得点と大活躍して多くのカディスサポーターを魅了した。

華やかなプレーと一転して私生活は破天荒そのものだった。

趣味は飲酒と睡眠で酔っぱらった勢いでホームレスに有り金を全て渡したエピソードや私服のセンスが無頓着だったため、サポーターから服をプレゼントされた話がある。

1984年にカディスの2部降格が決まり、ゴンサレスは契約更新するかで揺れていた。そこでマラドーナの勧誘によりバルセロナのブラジル遠征に帯同。

フルミネンセとの親善試合でゴールを挙げたものの、宿泊先のホテルに女性を連れ込んでいることが発覚してバルセロナ移籍のチャンスは立ち消えとなった。

この他にも破天荒なエピソードも多く、ピッチ外では抜けた一面がカディスのサポーターから愛される理由の一つと言われている。

エルサルバドル代表史上最高の選手

1976年から代表デビューを果たしたゴンサレスは、突出したテクニック、敵の意表を突いたチャンスメイク能力、並外れた決定力で1998年までに通算62試合21得点の成績を上げた。

特筆すべきは1982年ワールドカップで強豪ハンガリー代表に1-10で大敗したが、芸術性あふれるテクニックを披露して、ゴンサレスはハンガリー相手に食い下がった。この試合でマンオブザマッチに選出された。

ワールドカップで評価を高めたゴンサレスはフランスの強豪PSGからもオファーを受けたといわれている。

評論家から北中米史上最高のサッカー選手の1人と評価されるほど、記憶に刻まれるプレーを見せた魔術師は1999年に現役を引退。現在もエルサルバドル国民から深く愛されている。

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今回のエルサルバドル代表にはゴンサレスのような突出した選手はいないが、粒ぞろいの選手を揃えてきている。日本代表とどのような試合を見せるのか注目だ。

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