津軽線存続求め、自治体に要請/「考える会」

今別町の阿部町長(左)に要請書を手渡す橋本氏(右)と秋村氏

 昨年8月の大雨被害の影響で運休が続き、存廃協議が進められているJR津軽線・蟹田-三厩間(28.8キロ)について、JR東日本のOB職員や沿線自治体の住民でつくる「JR津軽線の活性化を考える会」が12日、青森県今別、外ケ浜、蓬田の3町村に対し、鉄路の早期復旧や路線の活性化をJRや国に働きかけるよう要請した。

 要請内容は(1)日本全体の鉄道の在り方を国策として議論(2)鉄道の再整備の検討や地域交通の再生(3)津軽線・蟹田-三厩間の復旧工事-の3点を働きかけること。前青森市議の秋村光男、橋本尚美の両共同代表が各町村を訪れ、要請書を手渡した。

 このうち、今別町役場で受け取った阿部義治町長は同区間について、鉄路を復旧した上でJR東が運営費を全額負担するべき-と強調。JRが選択肢として示している鉄路廃止とバス、タクシーを活用した新たな交通体系への転換について「賛同できない」と取材に述べた。年間約4億円の自治体負担を含む鉄路存続の提案に対しても「到底われわれが出せる金額ではなく、押しつけられている感じがする」との見解を示した。

 秋村氏は「今は蟹田-三厩間の存廃協議となっているが、5、10年後には蓬田村や青森市を含む話に広がる可能性がある」、橋本氏は「協議では運営費が前面に出ているが、津軽線の活性化策をもっと話し合うべき」と語った。

 同会は3月下旬に結成。約20人で構成しており、今後、県にも要請を行う方針。

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