「ポルトに衝撃を受けた」ポルトガルでの成長を実感する相馬勇紀、日本代表で見せたい成長の証「トランジションを見せたい」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

日本代表は12日、キリンチャレンジカップ2023に向けた活動をスタートさせた。

6月はエルサルバドル代表(15日)、ペルー代表(20日)と2試合を戦う日本。3月に森保一監督の第二次政権となる活動がスタートしたが、ウルグアイ代表とコロンビア代表には勝つことができなかった。

新体制の初勝利を飾りたい今回の活動。初日のトレーニングは一般公開され、大雨の中でも多くのファンが見守り、選手たちに声援を送った。

トレーニング後、FW相馬勇紀(カーザ・ピア)がメディアの取材に応対した。

相馬はカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りを果たし、コスタリカ代表戦に出場するも悔しさも味わった中、1月にカーザ・ピアへと移籍し、ヨーロッパでのキャリアをスタートさせた。

レンタル移籍での加入となった中、プリメイラリーガでは18試合に出場し2ゴール1アシストを記録。名古屋や日本代表では左サイドで起用されることが多かったが、カーザ・ピアでは右サイドでも多くプレーした。

ポルトガルでのシーズンを振り返った相馬は「他のリーグがどういう感じかわからないですが、ポルトガルは組織というより選手が個で戦うリーグです」と語り、「そこで色々なことを鍛えることができましたし、最初の半年なのでしっかり慣れていくことも考えていたので、できたかなと思います」と、一定の手応えも感じているようだ。

W杯の時との変化については「W杯は日本として戦っていましたが、自分がピッチ内で貢献できたかといえば、貢献できていないと思うので、その悔しさを持ちながらやっていました」と当時の心境を語り、「普段Jリーグでプレーしていて、海外の選手とやるときに足の出て来るタイミングや長さが違うので、それを普段からスタンダードにしてプレーできているので、成長を実感しながらプレーしています」と、ヨーロッパで一段上のレベルを体感できていることが成長に繋がっていると語った。

加入してすぐにポジションを奪った相馬。「リーグの中で、強いチームやトップ3がボールを握るので、ブロックを作って守備をしっかり作って行ってカウンターという形でした」とチームの戦い方を説明。「ほとんどの試合で前からボールを奪いに行く感じなので、プレス行って、サンドして、また行ってと、何度も走るというところもありました。カウンターで出ていく分、出ていくスペースの認知、仕留めるところの精度はあまり数字を出せませんでしたが、後半戦は結果に近いプレーが増えてきたので、そこは良くなってきたかなと思います」と、徐々にポルトガルでの戦い方、チームの戦い方に慣れてきたとした。

もちろんプレー強度もかなり上がっている様子。「攻めている時のリスク管理を全体的にできていないので、カウンターが決まる回数が多いです」と語り、「どこまで出ていけるか、人数をかけられるかで得点が入るかどうかが変わるので、強度は上がっていったと思う」と、プレー強度は日本にいた時よりも高いだろうとした。

そしてポルトガル国内でも3強と呼ばれるポルト、ベンフィカ、スポルティングCPには驚かされたという。

「特に僕の中では守田くんのいるスポルティング、ベンフィカ、ポルトとやった時でいうと、インテンシティではポルトに衝撃を受けました。監督の戦術だと思いますが、スローインになった時がどこよりも早くて、ボールボーイも訓練されてて、ただ切り替えだけではなく、セットプレー、リスタートと全てが洗練されていました。全員が戻り切る前に攻め切られちゃう感じでした」

「チャンピオンズリーグに出るようなチームと戦いたいと思いましたし、もっとレベルの高い相手とやりたいと思いました」

更なる高みを目指したいと語る相馬。カタールW杯では悔しさも味わったが、「悔しかったですが、客観的に振り返っても、あそこで自分がずっと出られるだけの能力があったかというとそうではなかった」と、当時の自分では力になれなかったと感じていたという。それでも「次のW杯に向けて短いようで長い、長いようで短い時間なので、スタンダードが変わっていることも良いことですし、ここからよりもっと競争が激しくなると思うので、そこで掴んでいければと思います」と、3年後の北中米W杯ではしっかりとチームの力になりたいと意気込みを語った。

その中で日本代表として見せていきたいプレーについては「トランジションのところで、自分が試合に出たときに、選手を追い越す、奪ったボールをなるべく前の選手やフリーの選手につける。その場合はボールを奪う前にある程度味方がどこにいるかを見なければいけないです」とコメント。「出ていく部分では自分の走力にかかっているので、どんどん出ていきたいと思います」と、アグレッシブに前に出ていく姿勢を見せたいと意気込んだ。

半年ぶりの日本代表活動。6月の2試合に向けては「素早い攻撃というところで、自分が成長できた部分が合致すると思うので、得点に絡むプレー、チームのために戦うプレー。勝利をこの2試合は届けられればと思います」と、自身の成長した姿を見せて勝利に貢献したいと語った。

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