●廣陵さん、佐々木さんら説く
独特の節の語りで仏の教えを伝える「節談(ふしだん)説教」の布教大会が11日、金沢市笠市町の浄土真宗本願寺派金沢別院(西別院)で開かれた。コロナ禍で中止が続き、4年ぶりの開催となった大会には門徒ら約100人が集まり、「南無阿弥陀仏」を唱えながら、笑いあり、涙ありの語りに聴き入った。
節談説教は、特に浄土真宗で発展した説教の形式で、落語や講談の源流になったともいわれる。西別院での布教大会は9回目となる。
トリを務めたのは、第一人者として北國風雪賞も受けた、満覚寺(輪島市門前町)の廣陵兼純(ひろおかけんじゅん)さん(86)。1千数百年前の朝鮮・慶州で、幼い子どもを人柱にささげてつくられた名鐘の悲劇的な伝説「加典(かてん)兄妹」を、力強い声で情感たっぷりに語った。
節談説教界で最年長となる93歳、正誓寺(かほく市)の佐々木伸麿さんは、軽妙な語り口で堂内を沸かせた。称名寺(小矢部市)の立島秀哲さん、雲乗寺(福井県大野市)の長谷部祐真さんも高座に上がった。
親鸞聖人(しんらんしょうにん)御誕生850年・浄土真宗立教開宗800年慶讃(きょうさん)の催しとして、節談説教研究会(東京)が主催した。