エクストリームEレギュラーが大集結。ミカエラ、クリスティーナに続きケイティ・マニングスもRX2e参戦へ

 6月17~18日にノルウェーのヘルで開催される2023年のWorldRX世界ラリークロス選手権第2戦にて、今季開幕を迎える併催イベント、FIA RX2e選手権に新たな実力派女性ドライバーの参戦が決定。すでに参戦表明済みのミカエラ-アーリン・コチュリンスキーやクリスティーナ・グティエレスと同じく、電動ワンメイクのオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』にレギュラー参戦するケイティ・マニングスが、開幕2戦への出場契約を締結。ハンセン・モータースポーツが運営するジュニアチーム、#YellowSquadからシリーズ“復帰”を果たす。

 昨季2022年にもスウェーデンの聖地ホーリエスでゲスト参戦を果たしていた25歳のマニングスは、冬の間にアンドラで行われたアイスレースのイベントと、直近のスペイン・カラファトでのテストにて、このRX2eで使用されるワンメイク車両『ZEROID X1』に習熟する機会を得ていた。

 そんな彼女は、昨季シリーズランキング2位を獲得したアイザック・シェクヴィストとともに、改めてフルBEVで270kW(約367PS)を発生する4輪駆動RX2e車両のステアリングを握り、ノルウェーでの今季開幕戦に挑む。

「こうしてラリークロスの“ビッグシリーズ”に出場することが、私の大きな目標だった。その点、この『RX2e』は非常に競争力があり、WorldRXへの完璧なフィーダーシリーズとして機能している。私の意見では、もっともエキサイティングで技術的にチャレンジングな選手権のひとつね」と、新年度への意気込みを語ったマニングス。

 地元イギリスでは実家の農場で4輪バギーに親しみ、少女時代からドライビングの才能を育んできたマニングスは、2016年にベルギー伝統のイベント、イプルー・ラリーでERCヨーロッパ・ラリー選手権にデビュー。18歳の彼女はそのまま同年のERCレディス・トロフィーを勝ち獲り、実に49年ぶりにイギリスにERCの栄冠をもたらした。

 そのマニングスは、2021年のシリーズ創設以来、電動オフロード選手権のトップランナーでもあり続け、所属するアンドレッティ・ユナイテッドとの最初のシーズンでは、グリーンランドで初開催された『Arctic X Prix』でシリーズ初優勝を飾り、僚友ティミー・ハンセンとともにランキング3位を記録した。

「私はエクストリームEで3年間(アンドレッティ・アルタウィキラット・エクストリームEでの)チームメイトであるティミー・ハンセンと仕事をする非常にユニークな立場を務めてきた。それ以外でも、より幅広くハンセンのチームと仕事を続けるのは自然な流れのように思えるわ」と続けたマニングス。「すでに彼らファミリーやチームと築いている関係を、さらに前進、発展させていくことを楽しみにしている」

今季も電動ワンメイクのオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』にレギュラー参戦するケイティ・マニングス
冬の間にアンドラで行われたアイスレースのイベントと、直近のスペイン・カラファトでのテストにて、このRX2eで使用されるワンメイク車両『ZEROID X1』に習熟する機会を得ていた

■10年ぶりの女性ドライバー

 これで2023年RX2eの開幕戦には、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の優勝経験者であるコチュリンスキーと、同じくラリーレイドでは歴史的偉業を達成してきたグティエレスとともに、電動カテゴリーに精通した実力派女性陣が顔を揃えることとなった。

「私自身、電気自動車をドライブして、その仕組みを学ぶのが楽しい。パワートレインやエネルギーシステムの動作方法に応じて、調整できる設定がたくさんある。このスポーツでもっとも経験豊富なスポッターやチームメンバーから学びつつ、ハンセン・ファミリーの経験に頼ることを楽しみにしているわ」と続けたマニングス。

「もちろん、彼ら#YellowSquadは豊富な知識とノウハウを持っているし、このプログラムは私にとってスキルを向上させるもっとも効果的な方法であると同時に、それなりの結果を得るべく挑戦できる可能性も充分にあると思っている」

「私の使命は、つねに可能な限りの戦果を上げ、並行してレースクラフトを開発し続けること。過去数年間、より大型のエクストリームE車両(オデッセイ21)でかなりの経験をしてきたけど、より小型で機敏な『ZEROID X1』でそれを開発することが重要になる」

「その点、カラファトでのテストは本当に楽しかった。レース環境から離れて、さまざまなセットアップを試してクルマを理解する日があるのは、私にとってはかなり珍しいことね(笑)。アスファルトで初めて加速するときの速さはいつも感動するし、今年も楽しみたいと思っているわ!」

 ハンセン・ファミリーが運営する#YellowSquadとの署名は、現在チームマネージャーを務めるティミーとケビンの母、スーザン以来の女性ドライバー誕生を意味し、同チームにとってマニングスはその伝統を引き継ぐ10年ぶりの存在となる。

「ケイティがRX2eの少なくとも最初の2ラウンドで、こうして#YellowSquadに参加してくれることをうれしく思う」と語るのは、現在チームマネージャーを務めるエリック・フェレン。

「チームにふたりのドライバーがいることはいつだって相互利益になるし、週末を最大限に楽しむため、全員で協力することが可能になる。ケイティはヘルでは新参者になるが、我々は近年そこで良い成績を収めており、できるだけ早く彼女に状況を理解してもらうよう努めたい。彼女はすでに(昨季の)ホーリエスで実戦を経験しており、それは本当に助けになるだろうね」と続けたフェレン。

「ケイティがチーム全体と強い関係を築いていることも素晴らしい。我々はノルウェーでこの競争の激しい分野に挑戦し、それが我々をどこへ連れて行き、どんな結果をもたらしてくれるのか。今から待ち切れない気分さ!」

「私の意見では、もっともエキサイティングで技術的にチャレンジングな選手権のひとつね」と、新年度への意気込みを語ったマニングス
2023年のWorldRX世界ラリークロス選手権第2戦との併催で、6月17~18日にノルウェーのヘルで開幕の日を迎える

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