小学1年の6割、着替えが男女一緒 3年も2割 「体育の日は登校イヤ」児童から不満 兵庫・加古川

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 兵庫県加古川市内の小学校で、低学年の児童が体操服に着替える際、全28校のうち、1年生で16校(57%)、2年生で14校(50%)、3年生で6校(21%)が、男女で更衣スペースを分けるなどの配慮をしていないことが、同市教育委員会の調べで分かった。「体育の授業がある日は学校に行きたくない」と話す子どももいるといい、対応を求める声が上がっている。(斉藤正志)

 8日の市議会本会議で、桃井祥子議員(公明党)が「低学年の女子児童の保護者から、『体育の授業に際し、着替えが男女一緒で嫌がっている』と訴える声があった」として、現状や市教委の考えを質問。市教委側の答弁で判明した。

 桃井議員によると、女子児童だけでなく、男子児童からも不満の声があり、男女別に分けていても、男子が廊下で着替えさせられているケースがあるという。

 市教委によると、5月時点で、体操服に着替える際に男女別の配慮をしている小学校は、全28校のうち1年生で12校、2年生で14校、3年生で22校にとどまる。4年生以上は全校が対応している。

 文部科学省の小学校施設整備指針は、「児童更衣室は、児童に利用しやすい位置に、男女別に計画することが重要」と定めている。しかし同市では更衣室の整備が財政的に困難なため、空き教室などを利用して男女別々の教室を用意する▽同じ教室で男女を時間差で入れ替える▽教室内をカーテンやパーティションで仕切る-などの運用で対応しているという。

 織田信吾教育総務部長は本会議で、着替えの際に教室内をカーテンで仕切っている小学校が2校あると紹介。カーテンの整備には1教室当たり20万~30万円程度かかるといい、各校の裁量で使える予算で対応できるとの認識を示した。男女別の配慮をしていない学校に対しては、他校の先行事例を周知していくという。

 また桐山朋宏教育指導部長は、低学年の児童の着替えには、安全面などから、見守る教員が必要なことを説明。「各校の実態に応じ、児童が安心して活動できるように、丁寧に対応したい」と述べた。

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