松、杉、ヒノキ…まるで山の中にいるような香り 香美町の葉っぱをブレンド「森林浴茶」 兵庫の女性ら開発

小代産の「森林浴茶」を手がける(左から)小林良斉さん、中村美和子さん、三木美捺子さん=香美町小代区

 兵庫県香美町小代区で切り出した松やクロモジ、杉、ヒノキなどの木片や葉っぱをブレンドしたハーブティー「森林浴茶」が発売された。小代の山の中にいるような爽やかな香りで、森林浴気分を味わえる。(長谷部崇)

 ハーブティーやフルーツティーなどを販売する三木美捺子さん=福崎町=と、造園業の小林良斉(かずひと)さん=香美町小代区=が昨年、イベントで知り合ったのがきっかけ。三木さんは松葉などを調合してハーブティーをつくっているが、小林さんから「山で切り出した木の不要な枝葉は処分される」と聞き、山に入った時に材料を集めてもらうことにしたという。

 小代産の松葉、クロモジ、杉、ヒノキに加え、三木さんが育てた月桂(げっけい)樹をブレンドして、できあがったのが「森林浴茶」。清涼感にあふれ、森の生命力を感じさせる香りから名付けたという。小林さんは「初めてお茶の香りをかいだ時は、本当に山の中という感じで感動した。捨ててしまう素材を使ってくれたのもうれしかった」と振り返る。

 商品パッケージは「デザイン紡-つむぎ-」(小代区城山)の中村美和子さんが、日本古来の色や文様をモチーフにしてデザイン。中村さん宅近くの安明神社にちなみ、3人のチーム「ANMEI(アンメイ)」を立ち上げ、今年5月から販売を始めた。

 5月5、6日、香美町村岡区森脇のうづかの森(旧兎塚中学校)であった試飲会では「リラックスできる香り」「どこで買えるの?」とかなりの反響があった。同28日に小代区貫田の吉滝キャンプ場コテージ村で、桜の木のティースプーンづくりを兼ねたお披露目会があり、香美町香住区のナシ農家黒野昭博さん(53)は「疲れた時に飲みたいような、ホッとする味」と話した。

 「せっかくの山の宝物を生かしたいという思いがあり、とてもおいしいお茶ができた」と三木さん。中村さんは「森林浴茶をきっかけに、小代を訪れてもらえればうれしい」。小林さんは「茶葉の缶を開けた人たちの表情がとても印象深い」と話す。

 基本ブレンドは「森林浴茶 始(はじまり)」と名付け、25グラム入り1350円、40グラム入り2千円、ティーバッグ(5個入り)が千円。今後、季節ごとのブレンドも手がける予定という。デザイン紡(TEL0796.80.1155)などで購入できる。ホームページもつくる予定。

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