【米ビルボード・ソング・チャート】モーガン・ウォレン通算10週目の1位、23年ぶりにカントリー・ソング2曲同時TOP5入り

モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算10週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

5月6日付から今週(6月17日付)まで7週連続、1位に到達した3月18日付から非連続で通算10週目の首位を獲得した「ラスト・ナイト」。ソング・チャート“Hot 100”で首位を獲得した全タイトル1,149曲のうち、10週を超えたのは「ラスト・ナイト」が44曲目で、わずか4%の快挙を達成した。

今週の集計期間(2023年6月2日~6月8日)、エアプレイが6,880万回(4%増加)、ストリーミングが3,110万回(6%減少)、セールスは8,000(6%減少)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートで4位をキープ。ストリーミング・ソング・チャートでは通算12週目の首位を獲得し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは6位から4位に再浮上した。

ジャンル別では、通算9曲目の首位を獲得したカントリー・エアプレイ・チャートで6週目、先週自身初のTOP10入りを果たしたポップ・エアプレイ・チャートでも10位をそれぞれキープした。

カントリー・ソング・チャートでは今週18週目の首位を獲得し、同チャートの集計が始まった1958年10月以降では10番目の最長記録に達した。なお、自身の最長記録は昨年19週をマークした「ユー・プルーフ」で、上位10曲中2曲をランクインさせた唯一のアーティストとなった。

その他、先週から集計が始まった今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでも1位を獲得している。

先週3位にダウンしたマイリー・サイラスの「フラワーズ」は今週2位に復帰して、エアプレイ・チャートでは通算17週目の首位を獲得した(8,700万回)。17週は、1990年12月に集計が始まったエアプレイ・チャート史上3番目に長い記録で、女性アーティストの最長記録を更新している。

26週 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年)
18週 グー・グー・ドールズ「アイリス」(1998年)
17週 マイリー・サイラス「フラワーズ」(2023年)
16週 マルーン5「ガールズ・ライク・ユー feat. カーディ・B」(2018年)
16週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
16週 ノー・ダウト「ドント・スピーク」(1996~97年)
15週 アデル「イージー・オン・ミー」(2021~22年)

先週の5位にランクインしていたレマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」は3位上昇し、最高位を更新。今週TOP3に到達するまでの期間は40週で、史上5番目に長い期間を経てランクインを果たした。なお、TOP3入りまでの最長記録は51週で、2021~22年にかけてグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が達成している。

「カーム・ダウン」は、約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートで首位獲得週を史上最長の41週目に更新し、トップを独走している。

ルーク・コムズの「ファスト・カー」も、先週の8位から今週4位に上昇して最高位を更新。2020年11月に2位を記録した「フォーエバー・アフター・オール」以来約2年半ぶり、自身2曲目のTOP5入りを果たしている。

「ファスト・カー」は、女性シンガーソングライターのトレイシー・チャップマンが1988年にリリースした同名曲のカバーで、原曲が同年8月に記録した最高6位を上回った。80年代の楽曲をカバーした曲がTOP10入りしたのは史上16曲目で、カバーがオリジナルの順位を上回ったのは、そのうち5曲目の快挙となる。

原曲はTOP5入りしなかったが、トレイシー・チャップマンはソングライターとして1996年6月に最高3位を記録した自身のヒット曲「ギヴ・ミー・ワン・リーズン」に続く2曲目のランクインを果たしている。

「ファスト・カー」は、今週エアプレイが前週から30%増加の3,420万回に上昇し、その週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを3週連続で獲得。ジャンル別では、カントリー・エアプレイ・チャートでTOP10入り、アダルト・コンテンポラリー・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、ポップ・エアプレイ・チャートでそれぞれTOP25入りしている。

エアプレイほどの伸び率ではないが、ストリーミングは前週から1%増加の2,020万回、セールスも4%増加の9,000にそれぞれ上昇した。

今週は、1位の「ラスト・ナイト」と4位に「ファスト・カー」のカントリー・ソング2曲がTOP5入りしているが、TOP5に2曲のカントリー・ソングがランクインするのは、2000年2月~4月にローンスターの「アメイズド」とフェイス・ヒルの「ブリーズ」が8週間ランクインして以来約23年ぶりの記録で、それ以前には1981年9月にジュース・ニュートンの「クイーン・オブ・ハート」とロニー・ミルサップの「ゆるしてダーリン」の2曲がランクインしたことがあるが、2000年に2曲がランクインするまでも約19年間のブランクがあった。

モーガン・ウォレンの大活躍もあり、2023年の第1四半期(1月~3月)はTOP10にランクインした楽曲はポップ・ソングと並びカントリー・ソングが多く、過去10年間での最高記録を更新している。

先週4位に浮上したリル・ダークの「オール・マイ・ライフ feat. J.コール」は今週5位にダウンしたが、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートではそれぞれ3週目の首位をキープした。シザの「キル・ビル」は先週に続き6位をキープし、R&Bソング・チャートでは通算25週目の首位を獲得している。

7位は、先週の9位からトゥーシーの「フェイバリット・ソング」が再浮上。エスラボン・アーマード&ペソ・プルマの「Ella Baila Sola」は7位から8位に順位を下げたが、ラテン・ソング・チャートでは10週連続で首位をキープした。9位は、先週の10位からメトロ・ブーミンの「Creepin' with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」が順位を上げている。

リミックスのリリース効果で先週2位にジャンプアップしたテイラー・スウィフトの「カルマ feat. アイス・スパイス」は今週10位に急落したが、前週から19%増加の4,560万回を記録して、エアプレイ・チャートでは12位から7位にTOP10入りした。同チャートのTOP10入りはテイラー・スウィフトにとって18曲目のタイトルで、史上7番目に記録を更新。ゲストのアイス・スパイスは、「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」に続く2曲目のランクインを果たしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月16日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「フラワーズ」マイリー・サイラス
3位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
4位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
5位「オール・マイ・ライフ」リル・ダーク feat. J.コール
6位「キル・ビル」シザ
7位「フェイバリット・ソング」トゥーシー
8位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ
9位「Creepin'」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
10位「カルマ」テイラー・スウィフト feat. アイス・スパイス

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