日光市・足尾を描いて45年 女性画家の個展始まる

 日本の公害の原点と言われる日光市の「足尾銅山」が閉山して今年(2023年)で50年が経ちました。この足尾に魅せられて45年に渡り描き続ける女性の個展が、12日から宇都宮市の県総合文化センターで始まりました。

 足尾銅山から出た有害な煙により緑がなくなった山に雪が降り、冬の厳しさが一層際立ちます。

 一方、この作品は、銅山の工場跡が上空から描かれています。

 この個展は、埼玉県草加市の画家、鈴木喜美子さん80歳が開いたもので1980年代から現代までの足尾の変遷が描かれています。県内での個展の開催は26年ぶりで油絵とデッサン、合わせて70点余りが展示されています。

 鈴木さんが、足尾に初めて訪れたのは銅山の閉山から5年後の1978年で、日光市にスケッチに行った帰りにたまたま立ち寄り、西日に照らされる荒涼とする風景に強い衝撃を受けました。それからというもの、足尾の四季を描くのがライフワークとなりました。

 初期の作品は、白と黒が基調で、荒々しい作風でしたが、はげ山だった足尾が少しずつ緑を取り戻していくのに合わせるかのように、年を追うごとに柔らかさが出て、色彩も豊かになってます。

 この個展は、宇都宮市の県総合文化センターで6月18日まで開かれています。

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