《最新機種》シマノとDAIWAを徹底比較! 結局どっちが良いんだ?

ついにDAIWAがデジタル制御ブレーキを導入し、スマホとの連携機能も搭載してIM Zが誕生。一方、デジタルコントロールの道を独走してきたシマノは、アンタレスDC MDを完全リニューアル!この革命的な新鋭と絶対的王者の比較インプレ、読まずにはおけないはずだ!

●文:ルアマガプラス編集部

― テッペイ

3Gインプレッションなど、長年ルアーマガジンのタックルインプレを受け持ってきたインプレ職人。その鋭い舌鋒で新製品を一刀両断してきたので、各メーカーのブラックリストに載っているとか? 現在「釣りビジョンマガジン」編集長を務めつつ、ライター業も兼業。

比較するのは注目の最新2機種

― アンタレス DC MD XG(シマノ)

シマノ(SHIMANO) ベイトリール 23 アンタレス DC MD XG RIGHT (右ハンドル) ルアーキャスティング

SPEC

●ギア比:7.8 ●最大ドラグ力:6kg●自重:235g●スプール径(径/幅):38/21mm●糸巻量:ナイロン16lb 120m ●最大巻き上長:93cm ●ハンドル長:90mm ●ベアリング数(BB/ローラー):11/1●価格:8万4100円(税抜き)

― IM Z XH TW HD-Cリミットブレイカー(DAIWA)

ダイワ(DAIWA) ベイトリール IM Z LIMITBREAKER(リミットブレーカー) XH TW HD-C

SPEC

●ギア比:8.4 ●最大ドラグ力:7kg ●自重:250g ●スプール径:38mm ●糸巻量:ナイロン16lb 125m●最大巻き上長:100cm ●ハンドル長:95mm ●ベアリング数(BB/ローラー):12/1 ●価格:12万5000円(税抜き)

― スペック早見表

最先端のフラッグシップはどうしても似ちゃうかもね

霧に包まれた、神秘的な山上湖、榛名湖。
まずアンタレスDC MDでカバースキャットのノーシンカーを沖に投げた。ギュ~ンとDC特有のサウンドを響かせて、めちゃくちゃ遠くへと飛んでいった。

テッペイ「やっぱりよく飛ぶなあ。どのくらい飛んだ?」。
フルカワ「わかりませんね…」。

この日の榛名湖はとんでもない濃霧に包まれていて、20メートル先が見えない状態。だからルアーの着水点なんてとても確認できないのだ。

フルカワは、最近ルアマガの編集長になったらしいが、この日はカメラマン役だ。

フルカワ「でも、このIM Zならわかりますよ」。

フルカワがロッドを一振りすると、スマートフォンをいじりだした。

フルカワ「ほら、43mも飛んでいます」。

霧の中でもIM Zなら飛距離がわかる。この調子で1日分のデータがたまると何かがつかめるかもしれない。その後、霧は晴れて、インプレはスムースに進んだ。
ただ、どちらも優秀なリールなので、使えば使うほど、両者は似ている……という印象を持ってしまった。

テッペイ「アンタレスDC MDの巻き心地が、忘れられないわ」。

フルカワ「結局、今日イチ飛んだのは、57.1mですね」。

インプレ終了。巻き心地とデータ蓄積。2台の違いは結局この2点だったような気がする。

各項目の比較

― POINT.1 外観デザイン 前代未聞のデザイン要素に1票

甲乙つけがたい!妖しく光るIM Zも魅力的だし、左右非対称な機能美を持つアンタレスDC MDも好きだ。これは僅差だけど、今までにない試みを評価して、IM Zに一票を入れよう。あの隙間を光らせるのがいい。

― POINT.2 回転・巻き心地 アンタレスDC MDの回転が凄すぎた

どこまでもフラットな感触で、しかも無音で巻き続けられるアンタレスDC MDの巻き心地は、人間の道具を超越していた。自分まで機械になってしまったかと錯覚するレベル。ビッグベイトだけならIM Zのほうがいいかも?

― POINT.3 キャストフィール 「フィール」だけに着目するなら

IM Zのあの抜けるような飛び感は本当に気持ちがいい。あれはブレーキやスプール回転だけの問題ではなく、きっとTWSが効いていると思う。アンタレスDC MDも気持ちよいが、ブレーキ感も少なからず感じる。

― POINT.4 ブレーキ アンタレスに軍配だが、IM Zにも期待

これからの拡張性を考えると、IM Zも楽しみだが、現時点でのスキルの高さを評価するなら、やはりアンタレスDC MDの方が一日の長がある。特にXBモードを使いこなせば、いかなるルアー、状況にも対応できる感がある。

― POINT.5 ドラグ 拮抗しているが調節のしやすさでわずかな差

どちらもドラグ性能は甲乙つけがたい。ピッチも細かいし、滑り出しのレスポンスもいい。あえて差をつけるならば、ドラグノブの回し心地。IM Zの方が、若干回しやすく、締めたドラグを緩める際のタッチがソフトだった。

― POINT.6 総合的使用感 IM Zは充電が必要。アンタレスDC MDは充電不要

いろんな意味で、実力伯仲の2台。正直両方とも欲しい。でも個人の総合的判断でどちらか一方を選ぶならば、アンタレスDC MDにする。決め手はパーミング性の高さと、充電の必要がない点だ。汎用性も広いと思う。

― POINT.7 価格 結局、庶民には高根の花

アンタレスDC MDが8万円で、IM Zは12万円だから、価格的にはアンタレスのほうが得……とは限らない。結局買う財力がなければ、どちらも手に入らないので。何かのお礼にもらえるのであれば、IM Zのほうが嬉しいかも。

テッペイの独断採点簿

― アンタレスDC MD XG RIGHT[シマノ]

巻く釣りにも、ボトムを狙う釣りにも使える万能モデル

まず18アンタレスのDC MDが、かなり完成度の高いリールだったと記憶している。ルアマガの3Gインプレでも使ったし、何度か奥田学さんと釣りをした際にも使わせてもらい、実際に魚を釣った経験もある。

今回のニューモデルは、その全方向進化系だったので、ビッグベイト、マグナムクランクなどの「巻きの釣り」はもちろん、ヘビーテキサス、ラバージグ、カバースキャットなど、ソフトルアー系にも活用できる。万能的大型ベイトリールだった。

― IM Z XH TW HD-C リミットブレイカー[DAIWA]

ビッグベイトとキャスティングを楽しみたい

釣りの楽しさを広げるという点においてはIM Zほど楽しいリールは他にないのでは? たとえ釣れなくても、キャスト後に飛んだ距離をチェックするだけでもかなり楽しい。釣りをしながらの会話も弾むだろう。

もし、このリールを持っていたら、ビッグベイトやジャイアントべイト用として活用したい。

昨年、琵琶湖でガイドの米山さんに教わった「クラッシュナインの七角形デジ巻き」は、ハンドルの長いこのリールだったら、より簡単にできそうだ。

― テッペイの採点

巻き心地の良さならアンタレスDC MD。キャスティングデータを知りたいならIM Z。あとは拮抗しているね。

取材場所

― 榛名湖(群馬県)

群馬県西部、榛名山の山頂にあるカルデラ湖。バス釣りの歴史は古く、多くのファンが楽しんでいる。冬は結氷するため、禁漁状態になり、ある程度バスが乱獲されずに済むという特徴がある。テッペイは、この湖で開催されている草トーナメントに年間数回参加している。

榛名湖

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