高級サクランボ「ジュノハート」生育順調 青森・南部町 22日販売開始

赤くつやつやと色づきを増してきたジュノハートの状態を見る杉澤さん

 青森県産サクランボの収穫期を迎え、県南の各農園や直売所などの店頭に早生のサクランボが並び始めた。本県オリジナルの大玉品種「ジュノハート」の生育も順調で、22日の南部町営地方卸売市場初競りで販売がスタートする。

 昨年の同初競りで、生産したジュノハートが20万円(1箱20個入り)の最高値をつけた町ジュノハート生産者部会長杉澤勝さん(52)は、摘果、葉取りなど手入れを徹底し、良質のサクランボ作りを進めてきた。杉澤さんは「収量は十分。今後、低温による裂果などが起こらないよう願っている」と話す。

 ジュノハートを手がけ8年目。「昨年は葉取りが2日で済んだが、今年は4日かかった」といい、十分な量の収穫を予想。実のつき始めは変形果が多かったが、変形果を取り除いたことで残った実に栄養も行き渡り、条件を満たした4L以上のブランド商品「ハートビート」級も多いという。

 町営市場は今年から、初競りの日は9個入りの箱のみを受け付けるため、最高値の単純比較はできないが、同市場の担当者は「厳選したサクランボが並ぶ」と言う。さらに、今年からハートビートを取り扱うため「品質のいい物はハートビートとして販売したい」と話す。杉澤さんは「今年は果樹の収穫期が重なりどの農家も大変。複数の果実を育てている人はいかに作業を間に合わせるかが鍵」と語った。

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