宮古島市で初の「若年性認知症家族会」発足 当事者ら約20人が現状や不安を共有 記念シンポで事例紹介も 沖縄

 【宮古島】宮古島市内にいる若年性認知症の支援者らが5月21日、市内で会合を開き、市で初となる「宮古島若年性認知症家族会」を立ち上げた。20日、立ち上げに先立って市未来創造センターで記念シンポジウムを開き、当事者を支える市内の介護事業者や医療関係者ら約40人が参加した。必要な支援や孤立させないための取り組みの事例を共有した。

 登壇したのは、全国若年認知症家族会・支援者連絡協議会の梅原早苗さんと、はるそら(岡山県)の多田美佳さん、若年性認知症サロン「家族みまん。」(三重県)の中川絵里子さん、認知症介護指導者でオアシス虹の会、中島七海さん。

 多田さんの夫は35歳から生きづらさを感じる機会が増え、48歳で受けたセカンドオピニオンでアルツハイマー型認知症と診断を受けた。

 介護保険では要介護3と判断されたが、必要とするサービスがなかった。子ども2人の助けもあり、夫は精神科デイケアや小規模多機能施設のデイサービスの通院、認知症専門病院に入院したが、それぞれの場所で生きがいを見つけられず、生きる気力を失いかけていたという。大学に通っていた長男は学校を辞めるなど、夫や家族も限界を迎えていた。

 転機となったのは3人1チームで参加する長距離の伴走イベント。夫の「走りたい」という意思を尊重し、イベント関係者らと助け合う経験が夫や家族の心境を前向きにしたという。多田さんは課題を共有し、協力できる人が周りにいることが実感できる体験の重要性を強調した。

 今回立ち上げた家族会では、市内にいる当事者やその家族、医療や介護従事者ら約20人が構成員となり、現状や不安などを共有する。家族会の羽地克也さんは「当事者や家族はどうしても孤立してしまうこともあるので、1人で抱え込まないための居場所づくりを頑張っていきたい」と話した。

 (友寄開)

手紙が教えてくれたこと
 
 【宮古島】宮古島市内にいる若年性認知症の支援者らが5月21日、市内で会合を開き、市で初となる「宮古島若年性認知症家族会」を立ち上げた。20日、立ち上げに先立って市未来創造センターで記念シンポジウムを開き、当事者を支える市内の介護事業者や医療関係者ら約40人が参加した。必要な支援や孤立させないための取り組みの事例を共有した。

 登壇したのは、全国若年認知症家族会・支援者連絡協議会の梅原早苗さんと、はるそら(岡山県)の多田美佳さん、若年性認知症サロン「家族みまん。」(三重県)の中川絵里子さん、認知症介護指導者でオアシス虹の会、中島七海さん。

 多田さんの夫は35歳から生きづらさを感じる機会が増え、48歳で受けたセカンドオピニオンでアルツハイマー型認知症と診断を受けた。

 介護保険では要介護3と判断されたが、必要とするサービスがなかった。子ども2人の助けもあり、夫は精神科デイケアや小規模多機能施設のデイサービスの通院、認知症専門病院に入院したが、それぞれの場所で生きがいを見つけられず、生きる気力を失いかけていたという。大学に通っていた長男は学校を辞めるなど、夫や家族も限界を迎えていた。

 転機となったのは3人1チームで参加する長距離の伴走イベント。夫の「走りたい」という意思を尊重し、イベント関係者らと助け合う経験が夫や家族の心境を前向きにしたという。多田さんは課題を共有し、協力できる人が周りにいることが実感できる体験の重要性を強調した。

 今回立ち上げた家族会では、市内にいる当事者やその家族、医療や介護従事者ら約20人が構成員となり、現状や不安などを共有する。家族会の羽地克也さんは「当事者や家族はどうしても孤立してしまうこともあるので、1人で抱え込まないための居場所づくりを頑張っていきたい」と話した。

 (友寄開)

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