鈴鹿8耐テスト:『給油システムはどっちを採用?』『HRCのCBR1000RR-R』/パドックネタ

 2度の8耐トライアウトが終わり、いよいよ鈴鹿8耐の本戦に向けた合同テストが6月7~8日に行われました。連覇を狙うTeam HRC、耐久マシンへと仕上げていく全日本チームなどが登場した鈴鹿サーキットのパドックで見つけた「裏ネタ」を、お届けします。

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 前回の裏ネタの最後にタンクの給油口の話をしましたが、EWCは2023年から給油装置はストーブリのSAF45に統一されました。しかし、鈴鹿8耐のみこれまでの2口の給油口も認められることになり、どちらを使うかはチームによって違います。

 穴の数、空気を抜く効率を考えれば2口の方が早く給油が済み、ストーブリを採用したチームが不利になりそうなものです。ところが、2口には燃料流量のバランスをとるためにリストリクターを設置することが要求されます。つまり穴を小さくすることで遅くして、両システムでの給油時間をできるだけ統一しているわけです。

 そんなTeam HRCのホンダCBR1000RR-Rです。2台用意され、チャビ・ビエルゲ選手とタラン・マッケンジー選手のふたりで走行を重ねていました。

 本当はイケル・レクオーナ選手が来るはずでしたが、直前のSBK第5戦でクラッシュをしたために、マッケンジー選手が急きょ来ることになったと本人がSNSで投稿されていました。

Team HRCのホンダCBR1000RR-R/2023鈴鹿8耐合同テスト
タラン・マッケンジー(Team HRC)/2023鈴鹿8耐合同テスト

 カーボン地のカウルにもちろんヘッドライト付き。鈴鹿8耐仕様のマシンは、デグナーの出口でピカッと光る写真が撮れるのでカメラマンが良くそこから撮っている光景が見られます。

長島哲太(Team HRC)/2023鈴鹿8耐合同テスト

 長島哲太選手は足を怪我しているために走行はしませんでしたが、ピットでマシンに跨りポジションを確認する姿も見られました。

Team HRCのピット/2023鈴鹿8耐合同テスト

 走行時間外では、マシンをバラして作業する際はパーテーションが立てられていました。斜めから見ると作業風景が見えるのですが、意図を考慮してカメラは向けずに目に焼き付けます。とはいっても細かな変更なので、内容はわかりません。是非メカニックさんに何をしているのか取材してみたいものです。

Team HRCのピット裏にあったPANTA OIL/2023鈴鹿8耐合同テスト

 EWCは単独の燃料サプライヤーのPANTA OILが指定されています。Team HRCのピット裏にはPANTAの缶がありました。中身はもちろん確認できませんでしたが、テストから本戦で使う指定燃料を使っているのでしょう。

 さてさて、2023年のTeam HRCは昨年のラインアップである長島哲太、イケル・レクオーナ、高橋巧から変更されるのでしょうか。チャビ・ビエルゲ、タラン・マッケンジーがテストで走ったことで、この5人から絞られることでしょう。

 2022年は6月20日に参戦体制が発表されたので、そろそろわかるはず。その前にEWC第2戦スパ24時間が今週末6月17~18日に行われるので、フル参戦チームの活躍を是非チェックしてみてください。

EWCで2023年から導入された給油装置ストーブリ SAF45
Team HRCのホンダCBR1000RR-Rのタンク/2023鈴鹿8耐合同テスト

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