LGBT法案、衆院を通過 「性同一性」表現を変更

LGBT法の与党修正案を可決した衆院本会議=13日午後

 LGBTなど性的少数者への理解増進を目的とした法案は13日の衆院本会議で、与党の修正案を自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決、衆院を通過した。焦点だった性自認の表現を与党案の「性同一性」から「ジェンダーアイデンティティ」に変更したのが特徴。立憲民主、共産、れいわ新選組、社民各党は反対。参院審議を経て、16日にも成立する公算が大きい。

 LGBT法案は与野党から計3案が国会提出された。2021年の与野党実務者が合意した「性自認」の表現の扱いが最大の論点だった。自民保守系議員から主観的な印象を受けるとの異論が出て、与党案は「性同一性」に置き換えた。維新と国民の案は、日本語にすると「性自認」と「性同一性」のどちらにも訳せる「ジェンダーアイデンティティ」とした。立民・共産・社民の3党案は与野党実務者案を踏襲していた。

 修正案では性的指向やジェンダーアイデンティティの多様性に関し「国民の理解が必ずしも十分でない」との現状認識を明記。政府に対し、運用に必要な指針策定を求めた。

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