金が欲しかった…不正利用目的で口座を再開設 容疑のベトナム人の男逮捕 5カ月で7600万円入金、暗号資産に

埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 第三者が使用する目的で口座を再開設したとして、埼玉県警組織犯罪総合対策本部(組織犯罪対策課、国際捜査課)と所沢署の合同捜査班は12日、詐欺の疑いで、ベトナム籍で熊谷市下川上、土木作業員の男(31)を逮捕した。

 逮捕容疑は、ネット口座取引に必要な情報を第三者に提供した上で、口座を利用させる目的で昨年1月4日、東京都荒川区内の金融機関で既に開設していた自身名義の口座の通帳1通とキャッシュカード1枚について喪失を理由に再発行を申請。同12~13日ごろ、自宅に配送された通帳などを受け取り、だまし取った疑い。

 組織犯罪対策課によると、男の口座には昨年1~5月、ベトナム人の88口座から計99回にわたって7600万円が入金され、その後、ほとんどが暗号資産に替えられていたという。

 県警は今年2月、他人に使用させる目的で口座を開設したとして、別のベトナム人の男を逮捕。この男の自宅から、今回逮捕された男が再発行した通帳とキャッシュカードが発見されたことや申請する際のメールアドレスが同一だったことから、同一グループの犯行とみて関連を調べていた。

 男は容疑を認め、「金が欲しかった」と供述しているという。男の口座が犯罪収益などのマネーロンダリング(資金洗浄)に使われていた可能性があり、県警が取引状況や共犯者について捜査している。

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