●金沢21世紀美術館
第61回日本現代工芸美術展石川展(現代工芸美術家協会、同石川会、北國新聞社主催)は13日、金沢21世紀美術館で開幕した。陶芸や金属、漆芸、染織など多彩な分野で技を錬磨する重鎮から若手までが意欲作100点を寄せ、来場者に時代を映す創造の息吹を伝えた。
現代工芸美術家協会は1961(昭和36)年に創設され、日展・工芸美術部門の中核団体として一線の作家を数多く輩出してきた。同展は4月に東京で開かれた本展の巡回展となる。
会場では、真鍮(しんちゅう)や青銅を生かして幻想的な春の夜を表現した干田浩さん(金沢市)の内閣総理大臣賞の金属工芸「春宵の月」をはじめ、地元作家の受賞作などが精彩を放った。同協会長で石川会名誉顧問の大樋陶冶斎(とうやさい)さん(金沢市、文化勲章受章者)は、洒脱(しゃだつ)な鳥の絵が爽快な青に映える「青釉飾壺」を寄せるなど重鎮の秀作も奥深い美を示した。
開場式で石川会会長の砂塚隆広北國新聞社社長があいさつし、酒井雅洋石川県県民文化スポーツ部長、東利裕金沢市文化スポーツ局長が祝辞を述べた。
第37回石川の現代工芸展とチャリティー小品展も併催されている。入場料は500円で、高校生以下は無料。いずれも18日まで。