南小学校6年生の白石智也君、日本将棋連盟のプロ養成機関「奨励会」の入会

少年棋士最高位を決める小学生将棋名人戦で県勢最高の準優勝の成績を収めた南小学校6年生の白石智也君(11)=津山口=が今、新たな一歩を踏み出そうとしている。日本将棋連盟のプロ養成機関「奨励会」の入会を決め、10月3日に初対局を迎える。憧れの世界への挑戦が始まる。
奨励会は6級からスタートし、月に2回行われる例会で規定の戦績を収めれば昇級、昇段。四段でプロ棋士デビューとなる。「17歳までになりたい。まずは1年で2級に上がりたい」。
この目標は、羽生善治九段らを破り、第58期王位にも輝いている菅井竜也八段(岡山市出身)が歩んだ道のりだ。入会に当たって弟子入り。背中を追う意欲を燃やす。
菅井八段の師匠・井上慶太九段が兵庫県で開く教室に通って指導を受けるといい、「どんな手筋で打つのかを対局を通して勉強したい」と話す。
これまで、7月の小学生名人戦の他にも全国舞台を経験し、本社主催のアマ大会では史上最年少で名人位を獲得。6歳で将棋を始めて以降、成長を助けてきたのは学ぶ姿勢だった。負けた時は失敗と向き合い、プロ棋士らの戦い方を吸収しようとした。
得意なのは自他ともに認める居飛車。中でも、トップクラスの間で主流となり、相居飛車の四大戦法に数えられる「角換わり」を最近身につけた。
奨励会の入会試験は8月19~21日に関西将棋会館(大阪府)であり、受験者同士の1次を3勝2敗で突破し、奨励会員と戦う2次で1勝を挙げた。着実につけた力で合格の結果をつかんだ。
喜ぶ半面、「もっと強くならないといけない」と気を引き締めている。厳しい昇級条件に加え、決められた年齢までに四段にならなければ退会となる規則もある。
初日となる10月3日は関西将棋会館で3局を対戦。プロ棋士へのプレッシャーも待ち受けるだけに、出場してきた大会とは心持ちも違う。「目指すのは全勝。一歩一歩進んでいきたい」。

奨励会入会を決め、「一歩一歩進みたい」と語る白石君

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