大小さまざまな爆発・爆破シーンで使う描き文字フォントを紹介!【漫画のプロが全力で教える「描き文字」の基本】

シーン別描き文字【爆発・爆破】

爆(は)ぜる!

ここでは大きなものから小さなものまで、さまざまな爆発に関する描き文字を集めました。爆発自体は外に広がっていくイメージなので、漫画で描くときは集中線などで爆発の方向を示します。こうしてできあがった画面に描き文字を加える際は、爆発の集中線に合わせ、爆発する方向に向けて文字を配置しましょう。また爆発の勢いを文字で妨げないようにすることも意識してください。描き文字そのものに流線を入れたり、文字の形自体に方向をつけたりすると、画面全体の迫力が増します。

爆発音は基本的に大きいものなので、爆発の絵そのものに対しても大きく描きますが、遠景での爆発の場合は描き文字の入れ方が変わります。遠くで聞いている人の身になって、小さく描いたほうが違和感がありません。

非常に暴力的なイメージの爆発音ですが、ひらがなやアルファベットで描くとギャグっぽくなります。ギャグとして描きたいのに画面が深刻になってしまう場合は、ひらがなを使ってみましょう。

大小さまざまな爆発で使える描き文字

︎「ドカーン」

文字のなかに流線を入れることで、描き文字に動きが生まれる。

︎「BANG」

爆発音や発砲音などに使用。このようなアメコミ調の描き文字は、トーンがポイントとなる。

︎「ボンッ」

爆発音の表現例。爆発とともに文字も飛び出すイメージで描くと迫力が増す。

︎「どかーん!」

同じ「ドカーン」でもひらがなにすると、爆発もどこかユーモラスになる。

破壊する!

「爆ぜる!」は爆発そのものの表現に関する描き文字でしたが、「破壊する!」ではそういった爆発などにより壊れていくさまや壊れた状態についての描き文字について解説します。

メインビジュアルは、がれきや岩などがガラガラと落ちている場面。目の前にたくさん物が落ちてくるため、文字も岩といっしょに落ちてきているように太く重い文字となっており、散らして配置することで落下している感じを高めています。またこの画面では描き文字が、落ちている“岩”と奥にいる“キャラクター”という、見せたいものを囲うように配置している点に注目してください。描き文字をこのようにレイアウトすることによって、画面のなかで見せたいものに読者の目を誘導するといった効果も得られます。

潰れたり崩れたりと、物が壊れるさまや壊れた状態を表現するものを掲載しました。壊れた状態を表現する場合は勢いというより、対象物が壊れた感じにふさわしい質感の表現が大事になってきます。

爆発などにより壊れていくさまや壊れた状態で使える描き文字

︎「ビリビリ」

爆発が空気を震わせて伝わってくるときの音に使用できるほか、紙を破る音や威圧感を表現する描き文字としても用いることができる。

︎「バラバラバラ」

岩場が崩れ、大小さまざまな石が落ちてくる絵に加える描き文字例。

︎「パリーン」、「ガシャーン」

割れる音、壊れる音などが響き渡るときに使用。音が聞こえてくる方向を意識して描くのがポイント。

︎「グシャア」、「グチャ」

潰れたり砕けたりする音を表現する場合、文字の並びもバラバラ気味にレイアウトするとより雰囲気が増す。

『漫画のプロが全力で教える「描き文字」の基本』はこんな人におすすめ!

・描き文字を上手にかきたい! ・描き文字のレパートリーを増やしたい! ・シチュエーション別のかき分け方法を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。

文字の大きさや、字体、レイアウトなど作風やシチュエーションに合わせてえがく描き文字は、イラストではなく文字なので単純そうにみえますが、奥が深いため苦手意識を持つ方も多くいます。本書では、基本的な描き文字のかき方が分からない初心者の方、ある程度はかけるけど場面ごとのかき分けが得意ではない方、効果音のレパートリーが少なくて悩んでいる方、文字の配置やレイアウトが苦手な方などに向け、描き文字に対するさまざまなお悩みポイントをおさえた一冊です。

漫画や同人誌をかく上で、必要不可欠なものが「描き文字」

描き文字は、キャラクターの心情や効果音などストーリーをより効果的に演出するために必要ですが、SNSなどでは描くのが難しいと言われています。そんな描き文字を東京デザイン専門学校さん協力のもと、本当に使える描き文字だけをわかりやすく丁寧に解説します!

気になる中身を少しだけご紹介!さまざまなシチュエーションがある食事のシーン!描き文字を組み合わせるだけで伝わり方が大きく変わる!?

擬音語、擬態語の多い食事シーンはひと工夫でよりリアル感を演出

食事についてはさまざまな擬音語、擬態語があります。メインビジュアルは「がつがつ」「パクパク」と、ものすごい勢いで食べている女の子の絵。この絵は一見「がつがつ」だけで成立しそうですが、「パクパク」を入れることにより、ものすごい勢いで口に食べ物を放っていることが伝わる絵になっています。また描き文字が前面に出ており人物の顔周りに置かれていますが、これにより動きの激しさが表現されています。食事はおもに口で行う動作なので、描き文字は息づかい同様、顔や口の周りに描くようにしましょう。

下の図は食べる状況に合わせて黒文字、白文字を描き分けています。「ゴクン」は液体を飲み込む音ですが、食べたい気持ちを表現する際にも使えます。「ゴ」の濁点や「ン」の一部が円形になっており、これにより読者にポジティブな印象を与えています。「チュルルルー」「ズズー」などは麺類を食べている音。「パクパク」のようにただ口に入れるのとは違い、時間的な幅のある動作なので、音引きを長めに伸ばすことでそれを表現しています。

静かなシチュエーションも「描き文字」をプラスしてもっと伝わる表現に!

描き文字をどの部分に描くかで読者が状況を理解できる

静かな状況のとき、実際は音がないわけですが、マンガではそれも描き文字で表現します。無音の状態を表す表現法のなかでも有名なのが、メインビジュアルの「シーン」ではないでしょうか。この「シーン」は静かな状況ですが、かなり大きく描かれています。それはこの絵がギャグシーンであり、そのば全体が静まりかえっていることを明確に示したいから。またこの描き文字を画面上部に描くことで、この教室に教師以外誰もいないことを読者が瞬時に理解できるようになっています。

下の図には、静寂のなかで聞こえる小さな音も掲載。小さな音を文字でも小さく描くことで、その音がわずかに聞こえるくらい静かであることを読者に伝えることができます。時計の音「カチコチカチコチ」、足音「カツーン コツーン」などが代表的な例ですが、ほかにもいろいろあると思います。また緊張して言葉が出ない状態の「カチン コチン」などは、キャラクターの緊張度に合わせた大きさで描くようにしましょう。

★文字だけで印象は操作できる!? ★デジタルツールとアナログ道具で描く描き文字 ★漫画でよく見る「ときめく」の描き文字の種類とは ★音を奏でる時に使う描き文字とは?
などなど気になるタイトルが目白押し!

本書は文字例の多さはもちろんのこと、描き文字を漫画に当て込んだ例も豊富に取り入れて解説しています。実際どのくらい描き文字は漫画の表現力を高めるのか、ストーリーの印象が変化するのかを確認しながら、読者の皆さまが自分の作品にも取り入れていただけると嬉しく思います。

【書誌情報】
『漫画のプロが全力で教える「描き文字」の基本』
著者:東京デザイン専門学校

漫画や同人誌などをかく上で、キャラクターの心情や効果音などストーリーをより効果的に演出するためには、必要不可欠な「描き文字」。文字の大きさ、字体、レイアウトなど作風やシチュエーションに合わせてえがく描き文字は、文字なのでイラストより単純そうにみえて奥が深いゆえ、苦手意識を持つ人もいます。基本的な描き文字のかき方からわからない人、ある程度はかけるけど場面ごとのかき分けが得意ではない人、効果音のレパートリーが少なくて悩んでいる人、文字の配置やレイアウトが苦手な人など、本書はそのような描き文字に対するさまざまなお悩みポイントをおさえた一冊です。

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