“ゼロ戦上回る性能”「紫電改」 国内唯一の展示館を再整備へ 検討委員会が初会合

愛媛県南予に観光客を呼び込もうと整備された愛南町の「南レク馬瀬山公園」が、転機を迎えています。

施設の老朽化や利用低迷を踏まえ、リニューアルする方針が示されました。国内で唯一こちらに展示されている“あの戦闘機"はどうなるのでしょうか。施設を所有する県が6月13日開いた検討委員会の初会合。県からは南レク公園を取り巻く厳しい状況が報告されました。

(県都市整備課・日野友係長)
「令和4年度は(利用者が)31万6000人で、過去最高だった平成元年度と比較して6割減となっている」

6か所ある南レクの公園施設のうち愛南町の馬瀬山公園は、県の南予レクリエーション都市整備の中核として1978年にオープン。

御荘湾を横切るロープウェーや宇和海を臨む回転式の展望タワーが整備されたほか、旧日本軍の戦闘機紫電改の展示館も設けられました。

しかし、利用者の低迷や施設の老朽化を受け、県は公園の再編案を示しました。それによりますと、2019年から運休している宇和海展望タワーのほか、子ども動物園は廃止に。

一方、紫電改展示館は建て替えを行い、久良湾を見渡せる展望台や遠足や修学旅行で訪れた小・中学生向けの学習スペースなどが整備されます。

紫電改は太平洋戦争末期旧日本軍が開発した戦闘機で、1979年に久良湾の海底から引き上げられ、その後、展示が開始されました。ゼロ戦を上回る性能を誇ったとされ、国内で保存されているのはこちらの1機だけです。

(徳田明仁委員長(愛媛大准教授))
「過去の歴史を今後の未来の方々のためにどうやって残し、受け継ぎ、伝えていくか。同時に南予エリアの地域振興にも影響する」

県は今年度、展示館の設計などの経費としておよそ9500万円を計上していて、2026年度の完成を目指しています。

県は来月末までに設計業者を決定し、8月に開かれる検討委員会の次回会合で設計について協議を進める方針です。

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