5類移行、ビアガーデン客足戻る 県内 席数増やプライベート空間も

天満屋岡山店が設けた「プライベートシート」。専用ビールサーバー(左奥)も用意される

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行したことなどを受け、岡山県内のビアガーデンでは過去3年間よりも客足が戻り、にぎわいを見せている。「ウィズコロナ」が浸透する中、昨年まで規模縮小を余儀なくされていた店も席数を増やすなどして営業。プライベートな空間での飲食や、屋内と屋外を行き来できるシステムで集客を図る店もある。

 5月26日にオープンした天満屋岡山店(岡山市北区表町)は「昨年同時期の4割増の売り上げ」(担当者)という。感染対策で席数を制限していた昨年から150席増やし、500席を用意した。スタッフはマスクや手袋を着用しているが、来店客は任意とした。

 料金は男性4300円、女性3800円。日本酒やカクテルなどを含めた約50種類の飲み物のほか、100種類以上のフードメニューを日替わりで提供する。

 目玉は初登場の「プライベートシート」。周囲に観葉植物を置いて他の客から見えにくい空間とし、テーブルには専用ビールサーバーが置かれる。4~12人のグループが利用でき、1日2組限定。月~木曜は1組千円、金土日曜と祝日は2千円の追加料金が必要になる。

 担当者は「2020年からの3年間は制約を強いられたが、今年はほとんどコロナ禍前の状態に戻った」と頬を緩める。

 岡山高島屋(同本町)は6月1日、昨年より160席多い400席を屋上に設け、営業を始めた。男性4700円、女性4500円。昨年人気だった魚介類を白ワインで蒸した「アクアパッツァ」に加え、新メニューの牛肉と春雨のプルコギ、四川風のマーボー豆腐がお薦めという。会場には滑り台などの遊具も設置しており、週末には家族連れの姿が目立つという。

 雨天時は屋内のビアホール(80席)で営業する。「オープン当初は雨の日が多く、順調な滑り出しにならなかったが、晴れの日の客足は伸び、昨年の1.2倍程度。今後のさらなる盛り上がりに期待したい」と担当者。

 6月5日にオープンした結婚式場のザ・マグリット(同丸の内)は屋内の40~50席に加え、テラスに20席程度を設けた。まずは屋内に着席するが、空いていればテラス席に移ることができるシステムにしている。

 看板メニューは、テラスでシェフが焼き上げるステーキと特製カレー。前菜やサラダはコース料理のように各席に配膳される。「冷房が効いた室内でゆっくり料理を味わうもよし。開放感あふれるテラスも楽しい」と同店。営業は週2~5日で、料金は1人6千円。

 夏本番に向け、今後もビアガーデンのオープンが続く。

 昨年9月に開業した両備グループ(同下石井)の再開発エリア・杜(もり)の街グレース(同)では15日から初のビアガーデンが始まる。木金土曜を中心に開き、屋内外に約500席。クラフトビール30種類を週替わりで用意するほか、岡山県周辺の酒蔵から取り寄せた日本酒20種類も提供。4枚つづり2千円のチケットを購入する。「8月26日までの期間中、夜市や音楽ライブなどを行う」と担当者。

 倉敷アイビースクエア(倉敷市本町)は26日、中庭広場に昨年の2倍の500席を設けて営業をスタートさせる。わら焼きしたカツオのたたきなど約30種類の料理が味わえるほか、アルコールはカクテルを充実させる。料金は1人4千円。近年にないペースで予約が入っているという。

アクアパッツァやマーボー豆腐といった人気メニューをそろえた岡山高島屋のビアガーデン

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