プロギア LS ドライバーを西川みさとが試打「スッキリとした打ちやすさ」

HS40m/s前後対象ドライバー HS30m/s台の女子プロ評価は!?

ヘッドスピード(以下HS)40m/s前後でも、女子プロ並みのビッグキャリーとロングランを実現できるプロギア「LS ドライバー」。初代2021年モデルのコンセプトを受け継ぎ、同社史上最強の低深重心ヘッドという今作は、HSがそれほど速くなくてもボールを上げやすく、つかまりやすい低スピンショットが可能と評判だ。そんなLaunch(高さ)とSpin(スピン量)に着目したモデルを、HSの異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「全体のバランスが秀逸 ヘッドの戻り方が海外ブランド寄り」

ノーミスで左右に全くブレず まさにハマったときの西川の弾道

―率直な印象は?
「とにかくクラブ総重量が軽く(硬さSで288g)、軽快に振りやすいスッキリした打ちやすさを提供してくれます。特にヘッドと純正シャフトが、しっかり考えられた組み合わせとなっていて、クラブ全体としてのバランスが秀逸です。打感はやや硬めでシッカリ感があり、インパクトでの物足りなさは感じません」

キャッチコピーは『40m/s前後のあなたへ 女子プロのようにぶっ飛ばせ』

―スッキリした打ちやすさ…?
「はい。同社やブリヂストンといった国産モデルの特徴は、テーラーメイド、キャロウェイ、ピンの海外ブランドと比べ、ボールのつかまりがやや強い傾向があります。逆を言えばつかまりが良すぎて、ヘッドの戻るスピードがやや速い。その点、この『LS』は戻り方が海外モデル寄りで、ヘッドだけがバーンッと戻ってくるわけではなく、シャフトと同時にクラブとしての一体感が得られる。いろいろ悩まず振り抜けるシンプルな構成という意味で、スッキリと表現しました」

左が今作(23年モデル)右が21年モデル。ソールのデザインが少しだけ変化

―前作(2021年モデル)と比べると?
「前作も同じようにスッキリした感覚があり、評価が高かったのを覚えています。改めて打ち比べても、同様に振りやすい。純正シャフトは前作が『Speeder EVOLUTION(スピーダーエボリューション)FOR PRGR』と名称は異なりますが、極端に何かが変わったところはなくフィーリングはほぼ一緒です。ヘッドを見比べて、形状が若干丸みを帯びている印象は受けますが、それほど大きな違いではありません。強いて挙げるなら、21年モデルより少しヘッドの効きが感じられ、ボールが上げやすくなっている点でしょうか」

左が23年、右が21年モデル。並べて見ると若干違いはあるものの印象はほぼ一緒

―シャフトの違いが影響している?
「いえいえ、シャフトの特性が変わるほど、大きな違いではありません。今作が明らかにバランスが出ていて、ヘッドが効いているわけでもなく、打ち比べてなんとなくバランスが出ている雰囲気が伝わる程度。シャフト名は『Speeder EVOLUTION』→『SPEEDER NX』に変更していますが、特性はほぼ同じ。カスタムの単品『NX』と比べれば、非常にやわらかさを感じやすく、しなり戻りが速いタイプ。ヘッドとのバランスが考慮され、同ブランドの専用シャフトということも納得です」

重さ46g、トルク:7.0、バランス:D-1、長さ:45.75インチ(※硬さS/M-43の場合)

―気になるデメリットは?
「そうですねー。形状やヘッドの効き具合など、前作との違いはいくつか挙げられますが、基本的にはほとんど変わっていない点でしょうか…(笑)。見た目のデザインやカラーリングもほぼ一緒ですし、形状も並べて初めてその違いに気づく程度で、変化を的確に言い当てられる人は少ないと思います。微小ながら、やや高さが出しやすく、やさしさも上がっているので、新モデルとしてもう少しアピールしても良かったようには思います。ただ、どちらも振り心地は同等で、高評価は変わりません」

「このままのスペック(硬さS/M-43)が一番このヘッドの良さを引き出せる」と西川

―どのような人向き?
「今以上の飛距離アップを目指して軽量モデルに興味があり、振り心地の良さを求めている人向き。そこを前提として、国産のつかまりの良さをイメージさせた形状が好きで、適度にヘッドが戻る海外ブランド寄りのスピード感を得たい人に、最適なドライバーだと思います。前作21年モデルも含めて、じっくり検討することをお勧めします」

HS36m/sでも問題ないことを実証【総合評価4.1点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SPEEDER NX FOR PRGR(硬さS/M-43)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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