猫が『がん』になる要因6つ 予防するためにできることとは

猫ががんになる要因

1.老化

猫ががんになる1番の要因は老化です。生き物は細胞分裂を繰り返して生きていますが、細胞分裂のミスで異常な細胞が生まれてしまうことがあります。

若いうちは免疫システムが正常に働くので、異常な細胞が生まれても排除できるのですが、高齢になって免疫システムが衰えると排除が難しくなってしまいます。異常な細胞ががん細胞になり、悪性腫瘍つまりがんになってしまう可能性は加齢と共に高まるのです。

2.ストレスによる免疫力の低下

がんは免疫システムが衰えると発生しやすくなりますが、老化の他にストレスも免疫力低下の原因になります。ストレスの多い環境で生活していると、若い猫でも免疫力が低下してしまう恐れがあるので注意が必要です。

3.慢性的な炎症、ウイルス感染による炎症

体のどこかに慢性的な炎症があると、その炎症が刺激となってがん細胞ができやすいといわれています。がんのリスクを下げるために、炎症がある場合はできるだけ早く取り除く努力をしましょう。

またウイルスに感染した結果、炎症が起きてがんのリスクが高まってしまうこともあります。猫白血病ウイルス感染症や猫免疫不全ウイルス感染症にも十分に注意してください。

4.タバコの煙や化学物質

タバコの煙には有害物質が含まれており、飼い主さんがタバコを吸っている猫は、ガンのリスクが上昇してしまうといわれています。また農薬などに含まれる化学物質もがんの原因となる可能性があるため、農薬を使用した野菜や果物を愛猫に与えるのはおすすめできません。

5.ホルモンの影響

がんには様々な種類がありますが、乳腺腫瘍や前立腺癌はホルモンの影響で発生しやすいがんです。避妊・去勢手術を若いうちにすることで、がんのリスクを減らせます。

6.肥満

心臓病や糖尿病などあらゆる病気のリスクを高める肥満は、がん悪化の要因にもなり得るといわれています。がんのためにも、その他の病気の予防のためにも、肥満にならないように食生活に気をつけたいところです。

猫のがん予防のためにできること

猫のがんを完全に予防するのは難しいですが、少しでも発生するリスクを下げるために飼い主さんはできるだけの対策をしましょう。

まずはストレスによる免疫力の低下を防ぐために、猫が快適に過ごせる環境を整えることが大切です。遊び好きの猫は飼い主さんと一緒におもちゃで遊べば、コミュニケーションをとりながら運動ができるのでおすすめですよ。体を動かすことは、ストレス解消にも肥満対策にもなる健康維持の基本です。

ウイルス感染が要因のがんを予防するには、愛猫と他の猫の接触を避けることが重要になります。愛猫が外に出て野良猫からウイルスをもらってしまわないように、室内飼育を徹底してください。

また飼い主さんが喫煙者の場合は、愛猫のためにも禁煙したいところです。たとえ禁煙が難しくても、猫のいるところではタバコを吸わない、タバコを吸った体で猫に触らないといった配慮をしてくださいね。

ホルモンの影響を受けやすいがんの予防は、避妊・去勢手術が効果的です。愛猫に子どもをつくらせる予定がないのなら、獣医師と相談のうえで早めに避妊・去勢手術をすませておくとよいでしょう。

日頃からがん予防をしていても、猫のがんを完全に防げるわけではありません。できるだけ早い段階でがんを発見して治療を始められるように、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

まとめ

長生きする猫が増えた今、猫の死因の上位にがんが上がってきています。

愛猫が高齢になったら、がんになる可能性を考慮して、こまめに体調のチェックをすることが大切です。がんの主な症状である体重の減少や、元気がなくなる、しこりや腫れがあるといった異常を見逃さずに、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

愛猫家にとって猫の病気や死因について考える時間は辛いものですが、愛猫の健康を守るために、病気についての知識を深めることも大切です。がんについて理解し、愛猫が若いうちから、予防のためにできることをしておきたいですね。

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