「新しい連携を」新青森県知事・宮下氏、町村長に直接呼びかけ

宮下氏(右)の来賓あいさつに耳を傾ける船橋会長(左端)ら

 知事に就任する宮下宗一郎氏が13日、青森市のホテル青森で開かれた県町村会(会長・船橋茂久平内町長)の臨時総会で、出席した町村長に向かい「これから県と町村の新しい連携が始まる」と新たな関係構築を呼びかけた。町村長側も「ワンチームでいきたい」と応じた。

 宮下氏は来賓として出席。船橋会長によると、29日の知事就任前ではあるが、町村長にあいさつできる機会があれば-と宮下氏から要請があった。船橋会長は総会あいさつで「宮下新知事とともに県内30町村がこれまで以上に連携を深め、ワンチームとして諸課題の解決に取り組んでいきたい」と述べた。

 続いてあいさつに立った宮下氏は「町村長と知事が日常的な対話を持つ環境をつくっていく」として、知事と40市町村長がオンラインで24時間つながる仕組みを構築する考えを説明。「町村の住民の悩みや不安、希望を知事が理解していくことで、県政と町村政を大きく前進させたい」と強調した。あいさつ後には自ら歩み寄って、船橋会長、副会長の濱舘豊光中泊町長、戸田衛六ケ所村長と握手を交わした。

 選挙期間中に実施した東奥日報のアンケートでは、30町村長のうち7人が宮下氏を支持した一方、15人が対抗馬だった小野寺晃彦氏を支持していた(8人は「中立」「答えられない」)。

 船橋会長も小野寺氏支持だったため、総会後の取材に「そういう意味ではちょっと遠慮はあった」と苦笑いしつつ、「県と町村が協力していこうとあいさつしたのに対し、宮下さんが応じてくれたのでありがたかった。選挙後はノーサイド。ワンチームで新たな関係を築きたい」と語った。

 同じく小野寺氏を支持した濱舘副会長も取材に「選挙は選挙。40万人の支持を得て知事になった人をわれわれみんなで支えていく」と強調。「そのためにも今日来てあいさつしてくれたのはすごくよかった」とも話した。

 宮下氏は就任後、40市町村長を集めて県政の方針を伝え、意見交換する場を設ける意向を示している。複数の関係者によると、7月3日に開催する方向で調整している。

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