不法滞在疑い32人、県警摘発 金沢のマンションにベトナム、カンボジア人

マンションに出入りする捜査員=13日午後0時45分、金沢市泉が丘2丁目

  ●建設現場に派遣か 数人を逮捕

 不法滞在などの入管難民法違反容疑で、石川県警は13日、金沢市泉が丘2丁目のマンションに住むベトナムやカンボジア国籍の男女32人を一斉摘発し、うち数人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。マンションの複数の部屋は県内の建設関係法人の寮とみられ、外国人は建設現場に派遣されていたという。県警は、不法滞在が組織ぐるみで行われていた可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、石川県警が入管難民法違反容疑で30人以上を一斉に摘発するのは異例。摘発された32人の多くは、技能実習生などの資格で来日し、在留期間を過ぎても不法に滞在した疑いが持たれている。逮捕された数人以外の身柄は、名古屋出入国在留管理局に引き渡されたという。

 関係者によると、外国人が住んでいたマンションの複数の部屋は、建設関係の法人が従業員の寮として借りていたとみられる。県警はこの法人関係者からも事情を聴く。

  ●1~5月に7件摘発

 石川県警によると、県内では今年1~5月、入管難民法違反の疑いで7件(前年同期比6件増)を摘発した。3月には長期の在留資格を得るために偽装結婚をしたとして、白山署などが電磁的公正証書原本不実記録・同供用や入管難民法違反(虚偽申請)などの疑いで、中国人の女2人や白山市の農園経営の男ら計4人を逮捕している。

 富山県警は2014年、入管難民法違反(資格外活動)の疑いで、入善町の工場で働いていたベトナムやネパール国籍の労働者計50人を一斉摘発した。

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