中間層の貧困化と物価上昇が同時に起こることを「スクリューフレーション」という。「スクリュー（締め付け）」と「インフレーション」を掛け合わせた造語だ。日本はまさに今、その渦中にある
▼県が8日に公表した沖縄子ども調査「高校生調査報告書」でも影響が読み取れる。生活が「苦しい」と感じるのは一般層でも4割ほど。生活苦は低所得層にとどまらず、中間層もむしばむ
▼調査対象の高校生は現在3年生。「非課税世帯じゃないけど、きょうだいが多く経済的に苦しい。大学に行きたいけど、お金の問題で行けない」と回答した生徒は、受験勉強のさなかで何を思うだろう
▼「子どもの貧困」対策で低所得層は大学の学費が減免され、バスの通学費も補助される。一方で、お金持ちでも低所得でもない中間層は受給できる奨学金も限られ、ほぼ無援だ
▼日本の平均年収は30年間横ばいだが、大学の学費は約1.4倍に増えた。私大だと年間100万円超もざらだ。締め付けられる中間層の子に自力を求めるのは、あまりに酷ではないか。
